総出荷は前年比2・3%減に 輸出向け出荷が落ち込む
日本ゴム工業会が経済産業省統計に基づきこのほどまとめた11年の合成ゴム品種別出荷実績によると11年の合成ゴム総出荷は国内ゴム工業向けが前年比4・3%増と堅調な伸びを見せたが、輸出向けが同7・7%減と落ち込んだことから総出荷は前年比2・3%減の166万2746㌧となった。
11年の合成ゴム出荷は3月の東日本大震災の影響による自動車生産減、主要合成ゴムの供給不足があったものの、自動車生産の回復とともに比較的堅調な伸びを見せたが、国内への供給最優先に加え、中国景気の減速感から輸出出荷が大きく減少した。
国内出荷はゴム工業向けが前年比4・3%増の82万4017㌧と堅調に推移、主力の自動車タ・チ向けが前年比5・1%増、自動車用ゴム部品はじめべルト、ホースなどの工業用品向けが前年比5・6%増となった。 ゴム工業向け以外のその他向けは主力の紙加工用、樹脂改質用はじめ軒並み前年実績を下回った。
国内向けの品種別実績ではSBRが同2・5%増、BRが同8・5%増となった。天然ゴム代替であるIRは同9・5%増、工業用品、接着剤向け主体のCRは同5・1%増、自動車用ゴム部品主体のNBRは同1・5%減、IIRが同3・7%増。自動車用ゴム製品はじめ樹脂改質剤向けのEPDMは、震災による工場の操業停止もあり一部供給不足となっていたことにより国内、輸出ともに前年同期出荷を下回った。また、その他合成ゴムの国内出荷は同120・5%と2割強の伸び。国内、輸出合わせた総出荷で前年同期実績を大きく上回っているのは、IIRのみ。