新製品開発 ゴム配合技術も駆使 自動車関連需要回復に期待
ゴムシートの昨年の需要は、震災直後は復興目的の緊急対応から需要が伸び、5月頃までは順調な生産が続いたが、6月以降は需要が落ち着き、伸びが鈍化、年間トータルでは前年比微増が見込まれている。
日本ゴム工業会・ゴム板部会がまとめた2011年1―11月期の生産実績をみると、プレス製品は1万7780㌧、前年同期比1・5%増とわずかながらプラスとなり、その他製品は255㌧で同27・7%減となり、全体では1万8035㌧、同0・9%減とほぼ1%の伸長となった。
一方、出荷量はプレス製品が1万6836㌧、同2・1%増、その他製品266㌧、同7・4%減で、合計では1万7101㌧、同2・0%増となった。
シートメーカー各社は、今後国内市場の大きな伸びは難しいと認識、新たな成長戦略を構えるうえで、特殊品による新製品上市による市場拡大を狙っている。具体的には永年培ってきたゴム配合技術をさらに磨き上げ、ユーザーが求める機能を有したゴム材料をベースに製品開発を進めるもの。一方の汎用天然ゴムシートは再生産可能な適正な価格帯での販売に特化、撤退もやむなしと表明した企業もあり、収益体質の是正が図られつつある。
「国内の市場動向をみると、震災復興需要は着実に出てくると思われるが、それは中長期的なものだと思われる。住宅や公共投資関連、鉄道など様々な需要が派生、真に求められる製品の安定供給がカギになる」(シートメーカー)。
自動車関連需要は一時期、自動車メーカーの大幅な減産から大きく落ち込んだが、生産体制の復旧に伴い、現在は着実に回復しつつある。シート各社も高機能パッキンなど、自動車関連部材用途の拡販に意欲を示す。
今後の製品開発については「環境対応は避けて通れない。組み付けパーツとして輸出されている製品も多く、RoHS、REACH規制への対応が不可欠」(メーカー)と指摘する。国内マーケットに関してもシリコーンゴムやフッ素ゴムなど高機能ゴムを材料とした付加価値商品の開発を各社とも積極展開、ユーザーとの共同開発が進められている。(2012年2月20日紙面掲載)
機能性材料の採用で新たな需要を開拓
自動車関連需要の回復に期待 価格修正も課題に 国内市場は高機能化で販路拡大
ゴムシートの需要は震災直後は復興目的の緊急対応から需要が伸び、5月頃までは順調な生産が続いたが、6月以降は需要が落ち着き、伸びが鈍化、現在は単月では前年同月実績を下回るなど厳しい環境に直面している。
日本ゴム工業会・ゴム板部会がまとめた本年上期(1―6月)の生産実績をみると、プレス製品は1万8㌧、前年同期比0・1%増とほぼ横ばい、その他製品は146㌧で同38・1%減となり、全体では1万153㌧、同0・8%減と小幅ながらマイナスとなった。一方、出荷量はプレス製品が9578㌧、同6・8%増、その他製品134㌧、同15・7%減で、合計では9712㌧、同6・4%増と、前半のプラスが寄与して前年上期実績を上回った。
シートメーカー各社は国内需要の大きな伸びは難しいとの認識のもと、事業戦略を立てている。汎用の天然ゴムシートは再生産可能な価格帯ではなく、赤字事業であることから撤退を表明した企業もあり、適正な収益体質の構築を目指した動きが本格化した。こうした中、合成ゴムなど原材料価格が再燃しており、合成ゴムシートの価格改定も今後の大きな課題になりそうだ。
「国内の市場動向をみると、震災復興需要は着実に出てくると思われるが、それは中長期的なものだと思われる。住宅や公共投資関連、鉄道など様々な需要が派生、真に求められる製品の安定供給がカギになる」(シートメーカー)とする。
自動車関連需要は一時期、自動車メーカーの大幅な減産から大きく落ち込んだが、生産体制の復旧に伴い、下期以降は着実な伸びが期待されており、シート各社も高機能パッキンなど、自動車関連部材用途の拡販に意欲を示す。
今後の製品開発の方向性については「環境対応は避けて通れない。組み付けパーツとして輸出されている製品も多く、RoHS、REACH規制への対応が不可欠」(メーカー)と指摘する。国内マーケットに関してもシリコーンゴムやフッ素ゴムなど高機能ゴムを材料とした付加価値商品の開発を各社とも積極展開、ユーザーとの共同開発も進められている。(2011年9月12日紙面掲載)