12年は震災復興需要に対応
日東化工の2012年3月期第3四半期決算(非連結)は、売上高73億3500万円、前年同期比1・2%増の増収となったが、収益面は営業損失900万円、経常損失2300万円、四半期純損失2700万円となった。
積極的な営業活動により、販売量の維持・拡大を推進した結果、売上高は若干の増収となったが、収益面は固定費削減効果はあったものの東日本大震災の影響やタイの洪水の影響により、高機能樹脂コンパウンドの販売量減に伴い、稼動率が低下し、さらに用役費の高騰による収益悪化などにより、損失決算となった。
セグメント別の業績をみると、ゴム事業全体の売上高は46億5900万円、同17・6%増となり、高機能樹脂事業全体の売上高は25億8000万円、同19・8%減となった。
ゴム事業のうち、シート・マットは、若干の減収となったもののゴムコンパウンド製品において、新規取引先獲得などにより販売量が増加したこと、また成形品においてもクッションタイヤが堅調に推移した。
昨年のシート製品の需要動向については、震災復興需要などにより、上向きで推移したとしているが「3月以降は、計画停電による生産減と在庫減が影響した。昨年は4月からの汎用NR値上げがあり、秋からの不採算品是正を2回実施した」とする。
2012年の需要見通しについては「東北、北関東地域における震災復興需要が期待できる」(同社)とし、合わせて海洋土木・鉄道橋梁など得意分野を拡販する予定。期待商品は、橋梁用防振材「C/Gシリーズ」など。
同社の土木建築用ゴムシートは、広範な需要分野に展開しており、防振用ゴムや落橋防止用緩衝ゴム、SBRゴム支承、橋梁・建築物緩衝用ゴムなどがある。なお、通期の業績予想については、売上高98億円、前期比0・8%増、営業利益2500万円、同72・8%減、経常利益500万円、同93・3%減を見込んでいる。(2012年3月26日紙面掲載)
耐薬品性コンパウンドを開発 配管パッキンに最適
将来は成形品への展開も計画へ
日東化工㈱の第1四半期決算は、売上高23億4500万円、前年同期比0・9%減の小幅な減収にとどまったが、営業利益は700万円、同56・8%減、経常利益700万円、同56・8%減、経常利益400万円、同66・5%減の大幅減益となった。四半期純利益は300万円で51・6%減。
ゴム事業のうち、シート・マット製品は若干の減収となったもののゴムコンパウンド製品は新規取引先の獲得などにより販売量が増加、また成形品はクッションタイヤが堅調に推移したことなどにより、事業全体の売上高は14億9600万円で同20・1%増と2割の増収となった。
新年度の状況について同社では「シート事業は前期末からの好調を維持して予算対比ではプラスで推移し、前年実績でも1ケタ台ながらプラスを確保した。震災に関係する復興需要が反映したと推測される」(同社)。
今期の期待商品としては、EPDM系の高機能ゴムコンパウンドがあげられる。耐薬品性に関する高度なニーズが求められていたが、従来にない高度な耐薬品性を備えたゴムコンパウンドの開発に成功し、今秋よりコンパウンド販売を開始することになった。
次のステップとしては、シート販売することや各種成形品として出荷することを目指している。日東化工では各種プラントの配管パッキン用途での拡販に期待している。
また新商品として上市したNEXCO規格、JIS規格に適合のクロロプレン系防振ゴム(C・Gシリーズ)は好調に推移している。耐候性・耐オゾン性・耐熱性・耐薬品性などに優れた特性を持っており、橋梁用ゴム部品をはじめ伸縮装置用ゴム、止水ゴム、支承用ゴム材料、さらに各種防振ゴム用途として期待している。また、今回新たに車両用極難燃ゴム(BS規格合格品)を上市し、車輌向けの新素材として大いに期待している。
通期の業績予想は、売上高100億円、前期比2・9%増、営業利益8000万円、同13・1%減、経常利益6000万円、同19・2%減、当期純利益4500万円、同343・2%増を見込んでいる。(2011年9月19日紙面掲載)