道路橋免震用ゴム支承に用いる積層ゴムのJIS規格1件が3月21 日に制定・公示された。
日本ゴム工業会では2005年より地震時にも橋梁の倒壊防止を目的とした極めて有効な免震用ゴム支承に用いる積層ゴムの普及促進を目的として、ISO/TC45国内審議委員会の中に免震ゴム・ゴム支承分科会(主査:東北大学原子分子材料科学高等研究機構 西敏夫教授)を設置し,免震用積層ゴムのJIS化検討を進めてきた。今回、JISが制定されたのはJIS K 6411 道路橋免震用ゴム支承に用いる積層ゴムー試験方法。
これにより今回の東日本大震災での復興に寄与できるとともに、さらには国際市場においても,日本の優れた免震技術が適正に評価され、その普及が促進されることが期待でき、免震技術、積層ゴムの更なる技術開発の促進にも寄与することが期待されている。
JIS化に当たっては①国内で安心して使用できる品質レベルを確保すること②生産者間及び生産者と使用者間での共通認識や品質レベルの統一化が図れること③世界をリードしている日本において、いち早く国家標準化に取り組むことーを目標に検討が進められてきた。
今回のJIS規格のポイントは、日本国内の道路橋用と建築用とで試験方法規格を分離させて,それぞれで規定されている要求特性項目,試験方法,用語などで規格を構成することとしたもの。
現在、道路橋免震用ゴム支承に用いられる積層ゴムは、道路橋支承便覧に試験方法の概要が示されているが、積層ゴムの基準値を示したものではなく、今回のJIS制定は積層ゴムに特化して,要求特性、試験条件に関する生産者間、及び生産者と使用者間の認識を統一し、共通化することを目的として規格開発が行われた。
これらのJISが制定されることによって、道路橋免震用ゴム支承に使用される積層ゴムの性能に関する客観的な評価指標及び評価方法が示されることとなり,生産者側にとって新たな目標が定まるとともにコスト改善への道筋が開ける。一方,使用者側においても,製品性能や品質について客観的評価に基づく判断や比較検討が可能となることで,道路橋免震用ゴム支承に使用される積層ゴムに対する信頼が高まり,一層の普及が図られることが期待できるとしている。