ゴム連合春季生活改善取り組み 賃金要求ほぼ満額回答に

2012年03月26日

ゴムタイムス社

 ゴム連合の2012年春季生活改善取り組みは、労使交渉のヤマ場を越え、要求46組合中、20組合が3月20日時点で妥結した。景況は依然として厳しい経営環境の中、各組合は賃金カーブ維持分の要求に努め、妥結状況はほぼ満額回答となっている。残り少なくなったもののゴム連合では3月内での全単組の妥結、解決を目指す方針。
 ゴム産業を取り巻く環境は依然厳しいが、企業動向や雇用環境を踏まえ、雇用の安定を前提とした取り組みをベースとしている。賃金要求については、環境の厳しさや企業業績の悪化懸念も考慮し、一律的なベースアップ要求を行う環境には材料不足の状況。しかし、労働条件の底支えとなる賃金カーブ維持分の確保は必要不可欠であることから、全単組の絶対的なミニマム設定とする。
 ゴム連合がまとめた一時金の妥結状況(3月20日現在)は、20組合が妥結(妥結方向含む)したが、ほぼ満額回答となっている。業種別にみると、タイヤでは横浜ゴムが35歳標準で5000円、住友ゴムは同5200円、東洋ゴム工業は同4100円で、3社とも満額回答。工業用品関係ではバンドー化学(35歳標準5800円)、三ツ星ベルト(3588円)、藤倉ゴム(3546円)、西川ゴム(35歳標準5709円)など、満額回答が大勢。
 一時金は、前年実績を基に現在の企業環境を踏まえるが、年間賃金の安定化に向けて、春年間決定方針を基本としている。一時金は家計内で予定されている支出や生活費の補填、物品購入など、大半が生活費の一部であり、安定した生活を送る上で、月例賃金と合わせて欠かかせない重要な位置付けであることから、企業業績や今後の経営施策などを考慮した取り組みを推進している。

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