ゴム・樹脂成形品メーカー、ホッティーポリマー㈱(堀田秀敏社長)のタイの樹脂押出製品の製造子会社「ホッテイーポリマー(タイランド)」は昨年10月の洪水による浸水被害により操業を停止していたが、集中的な復旧作業の結果、3月中 旬から1ライン(押出機2台)での生産を再開した。
タイの生産子会社はタイにおける建築用ガスケット製品の需要増大に対応、2011年2月にアユタヤ県ロジャナ工業団地内に樹脂押出製品の製造子会社として設立されたもので、異型押出成形機2ライン(押出機6台)で6月から樹脂押出成形品の生産を開始していた。同社では洪水により被災した押出機6台を日本に持ち帰り修理、タイ国内での塩ビ製押出製品の出荷要請を受けて、国内の既存設備をタイ工場に設置、このほど1ラインでの稼働を開始したもの。残る1ラインについても修理を終えた押出機を導入するほか、既存設備1ライン、新設設備1ライン(3層押出成形機)の計4ラインの設置を5月半ばまでに終える計画でおり、当初予定していた建材向けの樹脂押出製品の生産を行い、年内にはフル稼働を目指すとしている。
同社ではタイにおける需要の裾野は広く、原料調達面での優位性もあるとし、自動車用ゴム部品での引き合いにも対応、来期中にはゴム押出ラインも導入する計画でいるほか、タイ国内以外への輸出も検討している。 同社の2012年3月期業績はゴム成形品、樹脂成形品ともに販売が拡大し、売上高は前期比11%強の増収、収益も経常利益は前期比60%増の8500万円の増収増益の見通し。収益は増収に加え、原材料高騰に対応した価格転嫁、国内工場での生産性向上が寄与。 ゴム成形品は自動車用ゴム部品向けが新規受注も加わり好調に推移したほか、樹脂成形品もスマートハウス関連の建材向けはじめ太陽光、風力発電、LED関連、医療用の極細チューブ製品の需要が拡大した。
同社では2010年から10年後を見据えた長期経営計画の中で「グローバルオンリーワン」を掲げ、独自の技術開発製品を広く海外で拡販すべく、タイ子会社を設立するとともにネットの有効活用、人材育成に注力。来期もITツールの積極活用はじめ海外での各種展示会出展により高付加価値製品の拡販に努めていくとしている。