竹原ゴム加工 受注から出荷まで一元管理

2012年03月27日

ゴムタイムス社

 ㈱竹原ゴム加工(岐阜県中津川市・中島竜二社長)は各種合成ゴム練り加工をはじめ、ゴム薬品マスターバッチ事業、ポリマー・薬品計量販売事業などユーザーに役立つ事業を展開している。

 昨年の実績(2011年8月期)は「東日本大震災で一部の品不足の影響はあったものの、販売にはそれほど影響はなく、震災関係で福島から代替生産の依頼があり、生産は増加した。また昨年のタイの洪水の影響でユーザーが減産を取り戻すため、間接的に発注増加にもつながり、微増だが昨年は増収増益となった」(中島社長)。

同社は加工メーカーから要求されるサービスについては、同社の強みである短納期対応があり、ユーザーに高品質を提供し、しかもコストダウンにも寄与している。従来からトータルのネットワークシステムを構築し、徹底したIT化を進めきたため対応できるという。

 「昨年の震災以降、受注は増加しており、4日以内で完納できるシステムを持っているが、今はそれよりも短く完納でき、例えば当日の午前中に注文を頂いたら、その日に出荷できる体制がある。即納を求めているユーザーが震災以降増えてきた」(中島社長)。

 また少量多品種を扱うため、全国で約1000社のユーザーがおり、配合も月に4000~5000種類が動いている状態。月産平均700㌧ペースで生産している。その中で同社はゴム薬品マスターバッチに注力。自社ブランド「TRマスター」を月間2030㌧、ユーザーのOEMカスタム品を同1020㌧出荷している。自社ブランド品やOEMの両方で販売拡大を進めており、その結果ユーザー数や生産量が順調に増加してきている。

 最近では支給材料および自己調達品の小分け計量作業の請負などが増えてきており、年末に全自動計量工場を建設予定。投資額は約5億円を計画し、2013年初頭には稼働できるように進めている。新工場は24時間稼働で機械が計量する。従来薬品計量は人海戦術が中心で限界があり、作業を効率化するために改善する必要があった。また薬品でも人体に影響を及ぼすものもあるため、機械で計量することで人や環境にも配慮することができる。

「原材料小分け計量も練り以外の分野で一本の柱になる事業にしたい」(中島社長)

 今後の計画は年末に薬品の自動計量工場の立ち上げることで作業を効率化し、競争力を上げいく。また同社はゴム薬品マスターバッチ事業も強化しながら、特殊練りの需要も増加しているため、顧客の様々なニーズに対応していくという。