DIC㈱は、中国江蘇省張家港市の合成樹脂等の生産拠点「張家港迪愛生化工」(DICの100%子会社)における増設を決定した。
華東ならびに華北地区の需要拡大に迅速に対応するもので、約63百万元(約8億円)を投じて2012年9月に着工、2013年9月より設備稼働を開始する予定。
今回の増設では、年間約12000トンの生産能力を増強する予定で、増産品目は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、金属石鹸など。アクリル樹脂は、パソコンやタブレットPC、携帯電話などのボディ表面のコーティング用途として電子材料や光学材料向けに、さらには自動車や家電などのコーティング用途としても出荷される予定。ウレタン樹脂は、「南通迪愛生色料」(DICの100%子会社、江蘇省南通市)にて建設中のグラビアインキ新プラント向けに、また金属石鹸は、自動車のタイヤ用原材料として、各々出荷される予定で、いずれも中国経済の成長に伴う需要の増大に迅速に対応するもの。
張家港迪愛生化工は、2005年の創業以来、主に華東の顧客を対象に、コーティング樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル向け改質剤といった複数の樹脂関連製品を生産してきたが、主に華南の顧客向けに、コーティング樹脂と金属石鹸を供給する「迪愛生合成樹脂(中山)」(DICの100%子会社、広東省中山市)との相互補完により、華東、華南、華北の各市場での競争力を強化してきた。同社では、このたびの増設により、前述の用途分野への製品展開を鋭意進めていくとともに、日本国内における戦略製品の中国市場への積極投入を図る。