グローバルに事業を拡大へ
㈱ブリヂストンは鉱山などで使われるスチールコードコンベヤベルトの生産能力を増強し、グローバルに事業拡大を図る方針だ。同社に搬送ゴムベルト事業の現況を聞いた。
〈11年度上期のベルト部門の業績について〉
国内ベルトは3月の震災や原材料価格の高騰など、予期せぬ市場環境があったため業績も少なからずこれらの影響を受けたが、需要動向としては対前年同期比15%程度の伸びを示した。結果として、市場環境が非常に厳しかった前年と対比して販売を伸ばすことができた。
海外ベルトは、昨年に比べ鉱山需要が回復してきており、販売金額は堅調に推移している。
〈業績の背景について〉
3月の震災により、計画停電による生産への影響や原材料メーカーの被災による原材料入手の影響があった。また、昨年からの原材料高騰は内部努力で吸収できる範囲を超えており、顧客には原材料アップ分の一部を価格に転嫁させていただいた。
原材料価格に関しては、天然ゴム価格が直近ではやや軟化傾向にあるものの、引き続き注視が必要。合成ゴムは更に高騰を続けており、今後の業績面での影響が懸念される。更に、海外ベルトに関しては、円高によるインパクトが大きく、今後も懸念されるところだ。
〈下期のベルト部門の業績見通し〉
国内市場は上期同様、底は脱したものの全般的には大きな需要の伸びは期待できない。国内需要の不透明感はあるものの前年並みの販売を見込んでいる。
海外市場は鉱山需要を中心に前年比増加を見込むが、今後のことを考えると、昨今の世界的な経済減速による需要の低下が懸念される。
〈下期の販売戦略〉
グローバルで高品質のコンベヤベルトを中心に拡大していくという方針は変わらず、さらにスピードを上げて実践していく。とくに高品質製品とサービスをパッケージにしたソリューションビジネスの展開に力を入れていく。国内向けベルトに関しても同様のソリューションビジネスで顧客の課題を解決する方向性は同じである。また、数年前から進めているオーダーメイドベルトのサイズを大括りに規格化し、標準サイズとして販売する提案を推進していく。(2011年11月7日紙面掲載)