横浜ゴム(株)は、インド・デリーに隣接するハリアナ州に乗用車用タイヤ工場を建設すると3月28日発表した。第1期として2014年7月から年間生産能力70万本での操業を計画しており、工場建設の総投資額は約44億円。横浜ゴムは2008年4月、タイヤ工場建設のためにハリアナ州産業基盤開発公社との間で、同公社バハドゥールガール工業団地内の約10万㎡(約25エーカー)の事業用地取得契約を結んでいたが、リーマンショックによる景気減速などによってタイヤ工場の建設を延期していた。
新タイヤ工場は、2007年4月、横浜ゴム全額出資で設立したヨコハマ・インディアの生産拠点として建設する。同社は2007年7月から自社独自のネットワークによって補修市場向けに乗用車用タイヤの販売を行っている。ヨコハマタイヤの特徴である高性能・高品質を前面に打ち出すことで高級ブランドとしてのイメージ形成に努め、販売拡大に取り組んでいる。
2011年のインドの新車販売台数は約300万台だが、2020年には700万台を越え世界第3の自動車市場になると予測され、これに合わせタイヤ市場も順調な拡大が見込まれる。こうしたビジネスチャンスを積極的に捉え、「輸入品販売」から「地産地消」の段階へとステップアップさせる。
デリー西方約40キロに位置するバハドゥールガール工業団地は、国内最大級の消費地であるデリーに近く、2012年中に整備される高速道路でデリー国際空港から45分程度で移動でき、さらに近郊にあるハリアナ州立工科大学から優秀な人材採用が見込めるなど、数多くのメリットを備えている。