ランクセス㈱は3月26日、東京・大手町のアーバンネット大手町ビルで、11年度の業績発表会を開いた。会見にはペーター・ワインマール代表取締役社長兼日本・韓国代表並びにランクセスAG経営委員会メンバーのヴェルナ・ブロイヤス氏が出席、ワインマール社長が業績および日本市場の展望、ブロイヤス氏は「グリーンモビリティ」の推進に向けた事業展開について説明した。
グループの価格優先戦略や数々の買収、新興国市場への注力などにより、ランクセスの11年度通年の連結売上高は87億7500万ユーロ、前年比23%増で過去最高を記録、特別項目調整前EBITDAは11億4600万ユーロ、同25%増、の11億4,600万ユーロとなり、初めて10億ユーロを突破した。
日本における売上高は2億6300万ユーロ(約290億円)に達し、ワインマール社長は「日本市場がランクセスのアジア地域のビジネスのけん引役を果たした。日本は昨年、東日本大震災に見舞われ、深刻な経済状況に陥ったが、しかしながら日本の復興力は素晴らしく、時間はかかるものの立ち直るものと確信している」などと語った。
日本市場では、高品質の合成ゴムで優位な市場ポジションにあることを活かして、タイヤ産業や自動車産業、電気・電子産業、建設業界などに製品を供給、順調に業績を伸ばした。
パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は約51億ユーロ、前年比37%増となり、部門別売上高でトップとなった。ブチルラバーとブタジエンラバーズの両ビジネスユニットがOEMおよびタイヤ買い替え市場の旺盛な需要に下支えされ、自動車メーカーからの需要が増加、テクニカルラバープロダクツとセミクリスタリンプロダクツの両ビジネスユニットの売上高も増加しした。
テクニカルラバープロダクツビジネスユニットは、EPDM「ケルタン」の買収が貢献し、ビジネスユニット別で最大の成長率を達成した。
「12年もエコタイヤの旺盛な需要が期待される。今年、EUで導入されるタイヤラベリング制度がこの需要を後押しするだろう。大幅な車両軽量化への傾向が加速することを考慮すると、高性能プラスチック分野でも更なる成長が見込まれる」(ワインマール社長)とした。