ブリヂストンの第93回株主総会が3月27日、午前10時から11時52分までの計1時間52分にわたり千代田区の経団連会館で開催された。
参加した株主は616名。(前年は532名)株主総会に先立ち、議長である荒川詔四社長が事業報告を行い、会長、CEO、COOによる3役経営体制移行についての説明を行った。この後、議案(第1号~第6号)審議に移り、いずれも原案通り承認、可決された。
その後の質疑応答では11名の株主から多角化事業の現況、タイ洪水の影響、新興国タイヤ需要、原材料関連などの質問が出され、担当役員が次の通り応えた。
多角化事業の現況
「多角化事業には、自転車、スポーツ、化工品、アメリカでの事業などがあり、現状それぞれ独立して強化してきたが、これからはグループでの総合力を活かして強化していきたい」
「スポーツは震災影響でゴルフ人口が減少し打撃を受けたが、立ち直ってきている。一方、自転車では震災により自転車通勤が増えた。両事業とも今後は日本だけでなくグローバル展開を考えていく。化工品事業は自動車が4割を占めている。今年は自動車生産が増加するのでプラスに出る。現状幅広く事業展開してきたが、今後は集約することにより、大きなシナジーが出ていくと期待している」
タイの洪水の影響
「工場そのものの被害はなかったものの従業員が出勤できなかったり、サプライチェーンへの影響で、数日は稼働できなかったが、大きな影響はなかった」
新興国のタイヤ需要
「タイやインドネシアではナンバー1だと認識している、ブリックスでは需要の伸びを上回る販売をしており、チャンネルを整備し、環境タイヤやランフラットタイヤなどで商品力を拡充していきたい。新興国は伸びているが、競争相手も多い。需要が安定している成熟国とのバランスを見ていく」
原材料確保について
「タイヤ業界は新興国メーカー含め拡大しており、ゴム価格は高値が続いている。一方、ゴム農園の作付け面積は増え、原油も供給が増加しているので、現段階でタイヤに必要な原材料については不足していない。原材料サプライヤーからは安定的な供給を受けている」