【ホース特集】 十川ゴム 東北復興支援に注力

2012年04月02日

ゴムタイムス社

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 十川ゴム

 東北復興支援に注力 東京支社に復興対策室設置

 ㈱十川ゴムの産業用ホースの今期(12年3月期)の業績は、販売は前年比108%と増収の見込み。売上げ比率は、ホース類の75%を占めるゴムホースが同10%増、樹脂ホースは3%増を確保する見込み。
 業界別では自動車、船舶、車両向け分野が震災による上期のダウンが大きかったものの、予想以上に震災後およびタイ洪水後の数量復活が早かったことにより、年間では6%程度のダウンに留まる予想。ガス関係は、都市ガス用が好調で10%増と大きく伸びたが、LPG用が一部取り替え需要の低迷などにより微増にとどまった。一方、建機・土木・プラント関係を中心に油圧ホース・バンドレスなども大きく伸び25%増となった。
 以上の結果、ゴムホース全体では前年比110%と1割伸長、樹脂ホース関係は家電製品の海外移管などが影響し3%程度の微増予測となっている。
 新年度は、建機・土木・プラント関係ホースの需要は引き続き好調推移を示すと予測、また震災復興の本格始動も出てくるものと考えている。幅広い製品群を供給する同社は、復興現地で使用される製品や別の地域で設備や機械に組み込まれ、現地に送られる製品など、直接・間接的に復興に対する情報を収集、被災地視線と全国視線の双方でとらえて復興支援に努める。
 このため、東京支社に復興対策室を設置し、納期対応などについても特別枠を設け、迅速対応を進めている。
 新年度の需要見通しについては「自動車関連の現地調達化や国内メーカーの海外シフト強化などによる減少は予測されるが、顧客の状況から考えると、まだ3%程度の伸びは期待できる」としている。
 原材料動向は厳しいものがあるとしているが、さらに電気・ガス・水道などの公共料金の値上がりが厳しくなると予測「原価に占める割合は比較的大きいにもかかわらず、製品への価格転化をお客様から承認を得るのは、非常に厳しいと心配している」としている。東南アジア諸国の人件費は上昇してきており、こうした海外情勢の変化に負けない製品構成と企業体質への改善が重要だと認識している。
 新製品開発は、素材開発・構造開発・用途開発など保有する技術に更に加えた技術による開発に努める。バンドレスホース、エキスパンションジョイント、編上ホースなどの従来製品群についてもその内容の見直しを行い、製品ラインアップの一層の充実や納期迅速対応化などに向けて積極的に進めていく。(2012年4月2日紙面掲載)

 

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