東ソー㈱は、塩野義製薬㈱が保有する BNP (心臓から分泌されるホルモン)の測定に関連する特許の海外実施許諾契約を 2月 28日付けで締結し、2003年より日本国内で製造・販売している心疾患の診断に有用な BNP測定試薬の海外販売を開始すると発表した。
東ソーのバイオサイエンス事業で取り扱う酵素免疫測定試薬は、同事業で取り扱う臨床検査機器 (AIA@シリーズ)の専用試薬。癌の進行とともに増加する物質や各種臓器から分泌されるホルモンなどの微量成分を測定するために必要な試薬(体外診断薬)で、各種腫療や甲状腺疾患など、約 50種の検査項目に対応している。
BNP測定試薬は酵素免疫測定試薬の主力製品の一つで、 BNPの血中濃度の測定に用いられる。国内の病院で使用される BNP測定試薬の約半数を束ソーが製造・販売している。 BNPの血中濃度は心機能の状態を鋭敏に反映し、心臓の異常を判断するための指標として、心疾患の予防や病態把握、治療後の経過観察に有用と臨床医の評価が高く、 BNP測定試薬は世界的に多くの医療現場で使用されている。
今後は欧米、アジアでの販売を予定しており、 BNP測定試薬の売上高は今後数年間で倍増を計画している。また BNP販売効果により、海外での酵素免疫測定試薬全体のシェア拡大を図っていく。
東ソーのバイオサイエンス事業は、高速液体クロマトグラフ (HPLC) やカラム、分離精製剤などを取り扱う計測分野、 HPLCや酵素免疫測定法を原理とする検査機器や体外診断薬などを手がける臨床検査分野、 RNAのリアルタイムな増幅と検出をベースにした遺伝子検査分野の 3分野でグローバルに事業展開しており、今後も一層の強化・拡大を図る。