【ホース特集】　十川産業　関東市場で展開強化

　新生産拠点も　新興国への拡販を視野に

　十川産業㈱の12年３月期の業績予想は、売上高は約31億円で減収予想ながら、経常利益は付加価値商品群の積極販売の効果などにより増益を確保する見込み。「上期は震災関連需要もあり、順調に推移したが、下期は景気の低迷状態が続き前年同期に比べ減収となり、年度トータルでは微減の予想」（同社）と説明する。同社はビルド＆スクラップの理念の下、プロダクトミックスを推進、収益性の向上を目指している。
　近年は、ユーザーの海外生産が拡大傾向にあり、同社も中国上海工場での生産拡大に注力している。設備計画は、国内の横展開として耐圧ホース強化販売体制を構築する。需要動向をにらみながら適宜、増設を行い、販売は１年ごとに１億円程度の増収を目指す考え。
　メイド・イン・ジャパンの優れた品質を武器に、脱白もの家電としての耐圧ホースの生産を拡大させ、本格販売を開始する。
　「中国の労働事情は年々、人件費が上がっており、４月以降も年率10％以上の上昇が見込まれる。従って、今後は日本と同様、生産合理化が大きな課題になる」（同社）とする。
　同社は来期東南アジアマーケットへの販売体制の見直し及び再構築を実施、更なる新興国への拡販を視野に入れ、将来的な需要増への対応として、上海工場に次ぐ２番目の生産拠点を数年以内に確保する構想がある。
　新年度の事業展開については、東北地域の復興需要を含め、関東市場での一点集中を図る。「ＭＥＧＡサンブレーホース」では、昨年10月に内径４～50㍉品の最高使用圧力を規格変更して性能をアップさせ、従来品価格での販売を開始、安全性と信頼性と向上から市場で高い評価を得ている。「ＭＥＧＡサンブレーホース」は、工場や機械の給排水、エアー配管、土木・建築現場での給排水に適した工業用ホース。同社では「耐圧ホースの常識が変わる」をセールスポイントに拡販している。
　また、今年２月からはホース用継手「ＭＥＧＡタッチ」の販売も開始した。コストダウン用「ＭＥＧＡタッチＪ」や大口径ホース配管用「スーパーＭＥＧＡタッチ」、Ｌ字タイプ「ＭＲＧＡタッチエルボ」、プラグ一体型の「カップリングＭＥＧＡタッチ」など豊富なラインアップで、ホースとのセット販売に着手した。（2012年4月9日紙面掲載）