エボニックインダストリーズAG(ドイツ・エッセン)のCDT(シクロドデカトリエン)製造工場において、現地時間3月31日の13時40分に現地従業員2名が死亡する火災事故が発生した。
現地では地元当局による調査がおこなわれており、同社もその調査に最大限の協力をおこなうとともに、社内でも外部の専門家を中心とした独自の事故調査チームを設立し、原因究明を図る。
CDT(シクロドデカトリエン)はプラスチックの製造に使用される原料。またCDTはポリアミド12(PA 12)のモノマーであるラウロラクタムを製造するのにも使われる。今回の事故によりVESTAMID®、VESTAMELT®、VESTOSINT®、VESTENAMER®といった製品群の供給に影響が出ることになる。PA12より作られるプラスチックは自動車産業や太陽光事業、また外洋パイプラインなどに使われるとともに、スポーツ製品や家庭用品にも使用されている。
現時点における被害状況の詳細は不明だが、CDTベースの製品供給に大きな影響が出ると予想される中、ユーザーにはVESTAMID®Terraなどといった代替品の提供なども含めたできる限りのソリューションを提供する予定。このようなバイオベースのポリマーをPA12同様のアプリケーションに適用することは可能だと考えられる。一方同社としてはすでに早期再開に向けてあらゆる必要な作業を急ピッチでおこなっている。
今回の事故に関して、同社の非ラウロラクタムベースのハイパフォーマンスポリマーに関しては一切影響はない。影響を受けない製品群は:TROGAMID ®(PA 6-3-Tモルディングコンパウンド)、VESTAMID ® HTplus(ポリフタルアミド)、VESTODUR®(ポリブチレン・テレフタレート樹脂)、VESTORAN®(ポリフェニレン・エーテル樹脂)、そしてVESTAKEEP®PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)など。
(このリリースは4月4日にドイツでリリースされたものの翻訳)