VOC排出量の削減効果 3年連続で目標を達成

2011年08月01日

ゴムタイムス社



 日本ゴム工業会では2006年4月27日にSPM(浮遊粒子状物質)対策の一環として、VOC物質の排出削減に取り組み、自主行動計画を定め、フォローアップ調査を開始した。
 削減目標は「ゴム製品製造工場から排出されるVOC物質(ゴム業界で排出される代表的な17物質を対象)の総排出量について2000年度の排出実績をベースとして2008年度における排出量を25%以上、2010年度における排出量を35%以上削減する」というものである。現在、当会会員企業社が36社が参加。内訳は他業界に調査結果を報告している1社を除く環境委員会社26社並びに、同委員会に所属していない会員企業10社である。会員企業117社中の参加比率は30・8%であるがVOC排出量のカバー率は、2000年度の日本全国のゴム製品製造業のVOC排出量2・6万トンのおよそ89%を占める。
 今回の調査は2011年5~6月実施。調査項目は、基本的には2010年度の対象物質17物質についての使用量、排出量であり、それ以前の報告値に修正があった場合も報告する。今回も過去の数値について若干の修正があったほか、対象事業場を追加した会社があり、2000年度に遡って修正した。なお各物質には事業場で使用量年間1トン以上という裾切りがある。
 フォローアップ調査結果については、当会の2010年度のVOC排出量は2000年度比48・8%の削減となり、最終目標を13・8pt上回って達成。2008年度から3年連続で目標をクリアした。各社が取組んだ溶剤の水性化・転換、回収装置の導入、使用量の削減等の努力の結果であり、業界の努力を表す原単位(経済省のゴム製品生産動態統計の新ゴム量1トン当たりのVOC排出量)は、2000年度比50・0%と半減した。また会社ベースで見てみると、2010年度で、最終目標を達成した会社は27社となり、生産量が2009年度比11・6ptと大幅に増加したなか、同年度とほぼ同様の水準を維持した。
 これまでの各社の努力により、削減余地は小さくなっているが、生産量が増加しても現状を維持するべく削減努力を続けていく。
 本年度以降の取り組みについては、現行の目標の「2000年度の排出実績をベースとして2008年度における排出量を25%以上、2010年度における排出量を35%以上削減する」を維持し、参加各社は引き続きVOCの排出削減に努め、継続して現行の自主計画によりフォーロアップ調査を実施。また新たな国の枠組み、制度が決まった段階で改めて目標を検討するとことになっている。

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