JSRは7月25日、2012年3月期第1四半期連結決算説明会を開き、業績を発表した。説明会には平野勇人執行役員が出席、東日本大震災による影響や復旧状況などを説明した。 同社の第1四半期の売上高は843億5800万円、前年同期比2・2%減、営業利益92億3600万円、同7・9%減、経常利益102億600万円、同1・6%減の減収減益となった。四半期純利益は54億3200万円で同3・0%減となった。 平野執行役員は「震災の影響額は売上高で約100億円程度。このうち第1四半期は売上高で50億円、営業利益ベースで20億円程度の影響を受けた。震災と実需の線引きは難しいが、自動車業界の復興は前倒しで進み、被害額は当初の予想よりは軽微」と述べた。
合成ゴム販売は、イソプレンゴム、エチレン・プロピレンゴムが震災の影響により、5月後半まで生産停止を余儀なくされたことや国内自動車生産の大幅な落ち込みによる販売数量の減少があったが、スチレン・ブタジエンゴムやポリブタジエンゴムなどの汎用合成ゴムはタイヤメーカーの旺盛な需要に支えられ堅調に推移した。 セグメント別の売上高は、エラストマー事業部門が419億5800万円、同6・1%増、営業利益は52億4300万円、同69%増。合成樹脂事業部門の売上高は116億8800万円、同10.0%減、営業利益は1億800万円、同82・5%減、多角化事業部門の売上高は307億1100万円、同8・9%減、営業利益は38億8400万円、同38・4%減となった。 エラストマー製品の価格改定については「6月中に、ほぼ満額で交渉は決着した」(平野執行役員)。現在の稼働状況については「EPを含めフル生産を続けている」(同氏)とした。
2011年08月01日