バンドー化学の谷和義社長は7月26日、神戸本社で記者会見し、東日本大震災の影響、原材料価格高騰への対応などについて次のとおり語った。
〈東日本大震災の影響〉
足利工場の一部設備損傷による復旧費用に2012年3月期第1クオーターを含め合計約1億3000万円を計上した。
足利工場での節電対策ではコージエネレーションシステムを最大限に活用、自家発電装置も導入した。
OA機器メーカーも電力削減対応で稼働日を変更、これに合わせ足利工場では日曜、月曜日を操業休止し、火曜日から土曜日操業するシフトに変更、9月まで実施する。関西地区の各工場では関西電力での15%削減に対して、電力ピーク時(午前11時から午後3時)の稼働を避け、シフト変更で対応している。
〈需要見通し〉
自動車の生産が前倒しで回復、第3~第4クオーターにかけてリカバリーのための増産が予想されており、節電対策の対応もあるが、年初計画に近い需要が見込まれる。
コンベヤベルトの代替需要が先送りとなり落ち込んでいたが、震災以後の火力発電所の再稼働で急傾斜コン、樹脂ベルト「サンライン」も食品被災工場の交換需要が期待される。
〈原材料価格高騰への対応〉
原材料調達では廉価な海外製品比率を高めるため、4月にグローバル調達室を設置した。不良率ゼロを目指した製法改革を進め原価低減を図るとともに、製品価格への転嫁によりコストアップを吸収していく。
コンベヤベルトの鉄鋼向け値上げはほぼ浸透、ポリウレタン伝動ベルトについては、現在、鋭意交渉中。
2011年08月01日