宇部興産㈱は4月24日、国内およびアジア向けのジオール製品(1,6ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール)につき、今年5月1日以降の出荷分から値上げを行うと発表した。ユーザーとの交渉を開始する。
昨年6月にタイでの新プラント(能力6,000トン/年)を稼動開始後も世界的な環境志向の高まりによる需要増により、需給バランスが逼迫していることが値上げの理由。実施予定は2012年5月1日出荷分から。
【値上げ額】
▽1,6ヘキサンジオール 国内向け:60円/kg以上 アジア向け1米ドル/kg以上
▽1,5ペンタンジオール 国内向け:80円/kg以上 アジア向け:1米ドル/kg以上
1,6へキサンジオールは、同社のファインケミカル事業の主力製品の一つ。その特性から、高品質・高性能なポリエステル・ポリウレタン樹脂や接着剤原料などに使用され、特に近年では環境負荷が低い材料として注目されるUV硬化型コーティング材への需要拡大も進んでいる。世界需要が年率5~8%で伸張する中、中国を含むアジア市場は10%を超える高い成長率となっており、今後も極端に需給逼迫状況が続くと予想される。
同社は、宇部市(山口)、堺市(大阪)、スペインの三拠点に加え、2011年6月にタイで6,000トンの設備を稼動開始、合計約2万トンの生産能力を有する国内唯一のメーカー。