【ゴム用機械特集】 東洋機械金属 樹脂粘度自動調整プログラム「メルトコン」を開発

2012年05月02日

ゴムタイムス社

樹脂粘度自動調整プログラム 「メルトコン」を開発 高付加価値技術で成形不良に貢献

東洋機械金属

兵庫県明石市二見町福里523-1
TEL (078)942-2345
WEB http://www.toyo-mm.co.jp/

SAGスクリュー

SAGスクリュー

 プラスチック射出成形機およびダイキャスト成形機専業大手の東洋機械金属㈱はモノづくりにおいて省エネ・環境負荷低減に貢献できる、優れた自主技術・製品の開発を強化している。
 昨年の動向では、射出成形機は自動車関連や生活関連用品向けの需要が堅調に推移したが、IT・電子機器関連向けの小型機の需要が中国や他のアジア市場で低迷した。
 同社の主力製品である全電動射出成形機「Si―Vシリーズ」は小型機の型締力50㌧クラスから大型機の850㌧クラスまで市場ニーズをほぼカバーできるラインアップがあり、好評を得ている。
 「小型から大型のフルラインアップにしたことにより、ユーザーからの見方がかわり、総合射出成形機メーカーとして認知され、新規のユーザーの引き合いも増えてきている」(十亀和則取締役営業本部長)。
 同社は国内市場の基盤を強化し、海外展開していく上で、製品の差別化や付加価値をつけることで日本のモノづくりの良さを追求している。
 「機械の専業メーカーとして的確な機械を提供していくためには、モノづくりの現場でユーザーにとって役立つことが大切ではないか」(十亀和則取締役営業本部長)。
 そこで同社はユーザーに寄与する製品と技術として、昨年販売開始した「SAGスクリュー」と最近では新開発技術として樹脂粘度自動調整プログラム「メルトコン」がある。
 「SAGスクリュー」はガスを抑制できる特殊なスクリューデザインを採用したことで、シリンダー内各部の圧縮比を調整し、可塑化に必要な熱量だけを樹脂に与えることによりガスの発生を抑制することを実現した。同製品は昨年販売してから引き合いがあり、実績を残してきているという。
 また樹脂粘度自動調整プログラム「メルトコン」は樹脂粘度測定を用い、成形品質の管理に応用できるように開発したプログラム。同技術は樹脂粘度の温度依存性からシリンダ温度設定調整による粘度補正を行うもので成形性の変化が主に樹脂流動性に関係するものに効果を発揮する。
 今期の業績予想では、中国やアジアにおけるIT・電子機器関連の需要は減少したが、自動車関連の設備投資が復興需要を含めて回復し、またタイの洪水の影響による復旧関連の需要も発生した。また国内外の医療機器や生活関連用品などか堅調に推移したことにより、平成25年3月通期の売上高は200億円と見込んでいる。
 海外展開では、同社は4月18日~21日に開催された「Chinaplas2012」に出展するなど中国やアジアを視野にいれ販売拡充していく。(2012年4月30日紙面掲載)

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