【TPE特集】 クレイトンポリマージャパン 日本市場にも積極投入

2012年05月01日

ゴムタイムス社

日本市場にも積極投入 2014年までに生産能力倍増

クレイトンポリマージャパン

  • 住所: 東京都港区港南2―16―2太陽生命品川ビル9階
  • TEL: TEL (03)5461-7430
  • WEB: WEB http://www.kraton.com/

 スチレンブロック共重合体(SBC)の世界的大手メーカー、米クレイトン・パフォーマンス・ポリマーズ社の現況について、日本法人のクレイトンポリマージャパン㈱中西信輔社長に聞いた。

 米クレイトン社の2011年業績は
 中西社長 2012年12月期決算はグローバルベースで売上高が14億3700万㌦、前期比12%増、営業利益は前期比微減の9100万㌦となった。全世界での販売数量は約30万トン。

 売上高構成比は
 中西社長 南北アメリカ向けが41%、ヨーロッパ・中東・アフリカが40%、アジアパシフィックが19%という構成比でアジア地区での販売の伸びが高い。

 アプリケーショーン別売上高は構成比は
 中西社長 主力の粘接着、コーティング剤部門が全体の35%を占め、伸び率は前期比19%増、次いでアスファルト改質剤が30%を占め、伸び率は同26%増となっている。また、幅広い用途で近年需要が拡大しているコンパウンド用途は28%を占め、同10%増、カリフレックスIRが7%を占め、前期比8%の増加となっている。
 コンパウンド用途では自動車内装表皮材、各種コンシューマーグッズ、塩ビ代替品、IVバックフィルム・チューブ類などの医療分野にと幅広く用途展開が図られている。
 重点施策として、NEXARポリマー及びイソプレンゴム(IR)「Cariflex」の新期ビジネスを挙げているが  中西社長 イソプレンゴムおよびラテックス「Cariflex」は手術用手袋、コンドーム、医療薬栓向けを中心に年間30%の成長をみせている。現在、ブラジルのポーリニア工場、日本での委託生産先の姫路工場で「Cariflex」ラテックスを生産しているが、需要増に対応、姫路工場での生産能力を2014年までに倍増する計画でいる。
 NEXARポリマーは国内の幅広い業界の潜在的顧客に対して製品の紹介を進め、日本での新規用途開発を図りたい。

 台湾での水添SBCの新規工場については
 中西社長 台湾のFPC(フォルモサペトロケミカルコーポレーション)との折半出資の合弁会社を設立することで合意しており、年産3万トンの規模の新規プラントの2014年上期の稼働を目指している。

 日本市場の現況は
 中西社長 昨年3月11日の震災以降、鹿島工場での生産が一時停止したことやタイ洪水の影響もあり事業活動にある程度の影響を受けたが、本年に入り顧客業界の生産活動の復調に伴い需要は徐々に上向いてきている。為替も円安の方向にあり、今後の販売拡大に期待を寄せている。
 不安定な原材料価格動向が懸念要因ではあるが、メーカーとしての供給責任をきちんと果たすためには原料高騰分は製品価格へ転嫁せざるを得ない。丁寧なコミュニケーションを図り、顧客の理解を得ていきたい。
 この数年は中国市場の存在感が増しているが、日本市場は依然としてイノベーション、技術革新の点では一歩も二歩も先を行っている。新しい用途、アプリケーションでは今後も日本の顧客がパイオニアであり続けると確信しており、当社の成長のためにも日本市場での顧客との連携強化は欠かせないと考えている。自動車、医療、省エネ、電子材料、コスメティクス分野での新たな用途開発を積極的に進め成長の原動力としたい。

(2012年4月30日紙面掲載)

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