横浜ゴム㈱は、ホットメルトモールディング用途として、主に自動車部品向けに販売してきたポリエステル系ホットメルト型封止材「MM―70」を、新たに国内外の電子部品市場に向け販売を強化する。
「MM―70」の特長は接着性に優れることで、一般的なポリエステル系ホットメルト型封止材では接着が難しいオレフィン系樹脂にも接着することができる。同商品は主に車のアース端子部やリアガラスのデフォッガー(くもり止めのための熱線)部分で、水分の浸入を防ぐため、端子とコードの接続部分を覆うのに使われている。接着性の良さに加え防水性や耐衝撃性、絶縁性にも優れることから、電子部品向けにも展開することとした。
封止材は内部を防水、防塵、絶縁するために部品の継ぎ目や隙間を覆う材料。「MM―70」は熱で溶かしてから部品と一緒に金型で固める成型工法(ホットメルトモールディング)で使用するため、継ぎ目部分に密着させやすく、ガスケットなど他のタイプの封止材に比べ防水性が高い。また、硬化後も柔軟性を持つため外部からの衝撃にも強い。
こうした特長を生かし、防水性や耐衝撃性を重視する家電や電子機器の基板、端子などへの採用を図る。このほか、硬化時間が数10秒から数分と短く、作業現場での生産性が良い、有機溶剤を含まないため人体や環境にも安全であるなどの利点を持つ。
「MM―70」は、これまで白色のみ生産していたが、今回電子部品市場向けに販売するにあたり、市場のニーズに合わせて着色したペレットを用意した。
今後、電子部品市場に向けて販売する足がかりとして、6月に米国の製品安全規格で世界的に権威のあるUL認証を取得した。UL認証は1894年に設立された米国最古の安全規格開発機関である米国保険業者安全試験所が認定する安全規格。電気製品を中心とする様々な分野の製品に加え、部品、材料なども対象となっており、任意の認証制度でありながら、製品の安全性の証として米国を中心に海外で広く利用されている。
(写真)
上:着色した「MM-70」
下:MM-70の荷姿