東北ゴムの親会社である日立電線㈱は工業用ゴム事業の再編を決め、その変更内容を5月7日、発表した。
同社グループは、工業用ゴム事業として、OAローラ(事務機現像系OAローラ、事務機給紙系OAローラおよび金融系OAローラ)やエスカレータ用ハンドレール、工業用ゴムホースおよびゴムシートなどを手がけている。OAローラは、国内では日立電線ラバーテクノロジーが開発・製造を、海外ではHCPが製造を行っており、エスカレータ用ハンドレール、ゴムホースおよびゴムシートなどは東北ゴムが開発・製造を行っている。 事業再編は、日立電線ラバーテクノロジーの事業のうち、製造業務をHCPに、開発業務を東北ゴムに移管し、工業用ゴム事業の国内拠点集約と生産の海外シフトによるコスト削減を実行する。また、工業用ゴム製品の開発リソースを東北ゴムに集約し、開発機能の強化に取り組む。事業移管は2013年3月31日の予定。なお、日立電線ラバーテクノロジーは全事業を移管したあと、解散する予定。 OAローラは、国内では複写機やプリンターなどのOA機器の需要停滞により現像系を中心に厳しい事業環境が続いている。このため、日立電線ラバーテクノロジーでは新規顧客の開拓や原価低減活動に取り組んできたが、業績改善が難しい状況。一方、海外では新興国におけるコンシューマおよびオフィスのOA機器向けで需要増が見込まれている。 エスカレータ用ハンドレールは現在、東北ゴムが国内シェアトップ(推定)であり、海外でも新興国の建設需要により成長が期待されている。 同社グループでは、今回の工業用ゴム事業再編により、国内事業の採算性を向上させることはもとより、新興国を中心とした需要拡大を確実に捉えられる体制を構築、工業用ゴム事業の持続的成長を図る。