2月累計出荷 好調を維持 国内は震災復興需要に期待
ゴム・樹脂搬送ベルトの需要が堅調に推移している。昨年は東日本大震災の緊急復興需要への対応や福島原子力発電所事故に関連して、全国の火力発電所向けの需要が増大、ゴムコンベヤの生産出荷は好調に推移した。
また、樹脂ベルトについても食品、食品物流関連を中心に需要が堅調に推移、昨年の生産量はいずれも前年実績を上回った。
日本ベルト工業会がまとめた昨年の搬送ベルト国内需要先販売実績をみると、鉄鋼向けが48億4100万円、前年比116%、機械向けは14億5300万円、同125%、石灰・セメント向けは10億900万円、同103%、電力ガス向けは4億4900万円、同223%、紙パルプ向けは2億200万円、同140%とすべての需要分野で前年実績を上回っている。
経済産業省統計による2012年1―2月期のゴムベルト生産実績をみると、コンベヤは2月に前年同月比47・5%増と大幅な増加を示し、引き続き好調に推移、累計の生産量は3024㌧、前年同期比32・2%増と3割を超える伸び。コンベヤの出荷金額は28億7900万円で同0・7%増と微増横ばい。
搬送ベルトの本年度の需要動向については「ゴムコンベヤは、昨年に続いて震災後の特需が予測される見方もあるが、復興全体の進行を見ると不透明な部分も多いと見込まれる。樹脂ベルトは内需を中心に昨年度同様、堅調な需要で推移する」(メーカー)。
樹脂ベルトは、引き続き食品関連分野を中心に需要増が予想されており、樹脂ベルト各社は用途に的を絞った新商品開発を積極的に進めており、本年も6月に開催される食品工業展に多くの企業が出展、注力商品や新技術などが披露される。
同工業会がまとめた本年度の需要予測は、内需が9261㌧、前年比5%減、輸出1万536㌧、同43%増と、国内はやや低迷を混んでいるが、海外は資源開発を中心に高い伸びが予測されている。なお、伝動ベルトを加えたベルト製品全体の生産量は3万3306㌧(内需=1万1777㌧、輸出=1732㌧)、前年比8%増となっている。
一方、樹脂ベルトの需要見通しについては、内需が106万平方㍍、前年比3%増、輸出6万3000平方㍍、同4%増の合計112万3000平方㍍が見込まれている。 (2012年5月14日紙面掲載)