ランクセス ベルギーでブチルゴムを増強

2012年05月17日

ゴムタイムス社

 ランクセスは、ベルギーのズヴェインドレヒト拠点にあるブチルゴムプラントの製造体制を強化すると発表した。

 同社は、同拠点に大規模な投資を行い、既存プラントの製造能力増強およびブチルゴム製造技術開発のための2つの新パイロットプラントを建設した。
 同拠点では主にプレミアム品質のハロブチルゴムが製造されている。 投資額2000万ユーロ。同拠点のブチルゴムの年間製造能力は、10%増の15万トンに拡張する。予定よりも数カ月早い2011年末に増強が完了する予定。

 ズヴェインドレヒト拠点で5月3日、新プラントの開設式典が開催された。同社のアクセルC.ハイトマンCEOは、「同拠点におけるブチルゴム製造が、同社のグローバル戦略に重要な役割を担っていることを、この投資が裏づけている。同社の持続的な成長戦略は、世界的なメガトレンド、特に持続可能な車社会化へのソリューションに貢献する革新と技術に基づいている。」とあいさつした。

 ブチルゴムは、チューブレスタイヤの最内部の空気および湿気不透過性ライナーであるタイヤ用インナーライナーに使用される。このインナーライナーは、長期間にわたりタイヤ圧力を一定に保つため、自動車の安全性と燃費効率の向上が可能になり、さらには有害物質の放出が低減できる。また、ブチルゴムは、より優れたグリップ力と走行中の快適性を実現するタイヤトレッドにも使用される。特殊用途としては、防護服、医薬用ゴム栓、チューインガムなどがある。

 同社のブチルゴムビジネスユニットの責任者ロン・コマンダーは、「今後10年間で、同ゴムの需要はさらなる伸張が予測される。同拠点で増強した製造量とシンガポールに新設中の製造拠点の製造量は、完全に市場で消費されるだろう」と述べた。

 同拠点の製造能力増強に加えて、同社はシンガポールのジュロン島で年間10万トンの製造能力を持つブチルゴムプラントを新設中。同社設立以来、単独投資として最大規模を誇る、最も近代的な同プラントは、2013年度第1四半期に稼働を開始予定。同社は、カナダのサーニアにも、年間製造能力15万トンのブチルゴムプラントを有している。

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