住友ゴム工業㈱は5月17日、トラック・バス用スタッドレスタイヤのリコールを国土交通省に届け出たと発表した。
対象商品は、同社が製造・販売を行ったDUNLOP「SP001(エスピー ゼロゼロイチ)」、「SP062(エスピー ゼロロクニ)」、「ECORUT SP068(エコルト エスピー ゼロロクハチ)」のうち、2011年9月から2012年2月に生産された6サイズ。
インナーゴム(充填された空気を外に逃がさないための内側ゴム層)の厚みが局部的に薄く仕上がったものが、一部生産されていたと判明。充填した空気が、タイヤサイド上部(接地面側)において内側からカーカスコード(タイヤを補強するスチールコード)近くまで浸透することにより、空気溜りとなる場合があり、その状態で継続使用すると空気溜りが成長し、サイドゴムが部分的に裂けてエアー漏れに至る可能性があるという。
同社は、顧客の安全を最優先と考え、リコールを届出。上記一部の仕上り不良タイヤを含む対象ロット全タイヤの無償交換を決定した。なお、同パターンの対象となる6サイズ以外については、品質上の問題はないとしている。
本年2月から3月にかけて、対象タイヤのサイド部外側が膨れ、最終的にはその部分の亀裂によりエアー漏れに至る事例が複数件報告された。このため、同社で原因分析をしたところ、タイヤサイド上部(接地面側)のゴム厚みが局部的に薄くなり、その結果、タイヤ加硫時にインナーゴムがタイヤ外側に押出され、インナーゴムの厚みが局所的に薄くなったタイヤが一部生産されたことが分かったという。
同社では、ホームページでの告知に加え、対象タイヤを販売したすべての顧客に対し、電話連絡の上で直接訪問し点検するとともに、代替え品との無償交換を実施する。交換実施は2012年5月18日から開始する。同社は、こうした事態が二度と発生することのないよう、製造工程管理及び製品検査のより一層の徹底により、品質管理の強化に努めていくとしている。