ゴム製品の生産が堅調に推移している。経済産業はこのほど12年1―3月期のゴム製品生産実績(確報)を発表したが、2月に続き、3月も前年同月実績を上回り、累計の生産量は35万8591㌧、前年同期比5・6%増と堅調な伸びとなった。国内自動車生産が前年水準を上回っており、タイヤをはじめベルト、ホース、工業用品はいずれも前年実績を上回っている。
3月のゴム製品生産実績は全体で12万9684㌧、前年同月比16・8%増と高い伸びを示した。昨年は東日本大震災が起こり、東北や北関東地域の被災企業の生産がストップした関係で前年対比で大きな伸びとなった。今年1月は前年同月比で1・5%減と3ヵ月連続でマイナスでのスタートとなったが、2月は自動車タイヤが微増ながら再びプラスに転じた。
この結果、3月累計のゴム製品生産実績は全体で35万8591㌧、前年同期比5・6%増となった。
品種別生産実績をみると、主力の自動車タイヤ生産は28万8447㌧、同4・8%増となった。ゴムベルトは6762㌧、同8・7%増、ゴムホースは9950㌧、同8・9%増と、いずれも前年同期実績を上回った。
ベルトのうちコンベヤは前年実績を大幅に上回っているが、一方でVベルトおよびその他ベルトは低迷している。ゴムホースは、高い伸びを示していた高圧用が1月は前年水準を下回ったが、2月は1・4%増と小幅ながらプラスに転じた。自動車用ホースは国内自動車生産の拡大から順調に推移している。工業用品は品種によりバラつきが見られるものの総じて需要は回復傾向にあり、自動車関連部品は堅調に推移している。
履物類は、ゴム製履物の生産が54万6000足、同21・2%減と2割ダウンとなっており、プラスチック製履物は473万4000足で同1・2%増と微増となった。
昨年は震災やタイ洪水などの影響で自動車部品を中心に生産減となったが、早期の回復により需要は増大している。しかしながら、国内需要の伸びは鈍化、海外シフトが一層進み、下期以降の市場動向は不透明感が強まりつつある。