国内外とも増収を予想 12年度の計画 ソリューションビジネスを展開
ブリヂストン
東京都中央区京橋一丁目10番1号
TEL (03)3567-0111
WEB http://www.bridgestone.co.jp/
ブリヂストンの2011年度の国内向けベルト事業は、3月の震災や原材料の高騰など環境変化の影響を受けたが、震災関連の特需が発生したこともあり、2010年度と比較して増収となった。
海外ベルトの市場環境は、世界経済の停滞や円高による業績影響などのマイナス要因があったが、鉱山需要が堅調に推移する中、横浜工場で増設した新スチールコンベヤ生産ラインが稼動し増収となった。
12年度の国内市場については、大口需要先において海外への生産移転や合理化による生産の引き締め影響などが懸念される。一方で、震災復興需要による公共投資が始まればセメントや砕石などの生産で稼動が向上する可能性がある。
総じて、国内需要は不透明感があるものの前年並みに推移すると見込んでいる。こうした中で、同社は対前年比若干の増収を計画している。
海外市場は、前年に引き続き円高や世界経済減速による需要低下の懸念を抱えたままであるが、グローバルでの鉱山需要は堅調に推移すると予想し、当面この傾向は続くと見ており、海外向け売上げも増収を見込んでいる。
同社ベルト販売促進部では「業績に影響をおよぼす原材料価格の動向に関しては、引き続き予断を許さない状況が続く。とくに合成ゴムの高騰は足元で続いており、今後の動向次第では、品種により顧客への転嫁をお願いせざるを得ないケースもあり得る」としている。
12年度の販売戦略は、グローバルで高品質のコンベヤベルトを拡大する。とくに、海外鉱山需要は手堅い需要を維持しており、特に鉄鉱石や銅鉱石等、過酷な使用条件のラインほど、ブリヂストン品への期待も大きい。
国内、海外を問わず「顧客ラインの安定操業に貢献すべく、高品質な製品(ハード)と、信頼できるサービス(ソフト)を組み合わせたソリューションビジネスを積極的に展開する」(同社)。
同社はタイヤやゴム製品で培った技術を生かし、より耐久性の高い長寿命ベルト、省エネベルトの開発を行っている。国内及び新興国を中心に価格競争は益々厳しくなるが、顧客のラインの使用条件に応じた最適なベルトを提案し、販売することで 顧客でのトータルコスト削減に貢献していきたい考え。
環境貢献商品としてのパイプコンベヤは時代の要請でもあり、技術力を最大限に生かせる分野として注力する。国内・海外の需要先からの期待も大きく、さらなる高品質、高機能化に向けて開発を進めていく。(2012年5月21日紙面掲載)