ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴムのタイヤ3社の12年12月期第1四半期連結決算が発表された。(本紙既報)
3社とも主力のタイヤ事業が順調に伸び、原材料価格の高騰など減益要因を販売数量増や合理化施策、価格改定などでカバーした。通期の業績予想については、ブリヂストン、住友ゴム工業の両社は増収増益を予想、横浜ゴムも中間連結業績予想を上方修正するなど業績拡大が見込まれる。
〈ブリヂストン〉
売上高は7262億4500万円、前年同期比3・1%増、営業利益630億1600万円、同12・8%増、経常利益617億3900万円、同9・8%増、四半期純利益422億300万円、同34・7%増の増収増益。
タイヤ部門は、国内外市場において魅力ある新商品の投入を進め、また地域ごとの需要変動に迅速に対応。日本は、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は市販用が前年同期並みに推移したが、新車用は自動車生産台数が大きく回復した影響により前年同期を上回った。トラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期並みに推移。
米州では、北米タイヤ事業における乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は、市販用が減少、トラック・バス用タイヤの販売本数は市販用が減少した影響が大きく前年同期を大幅に下回った。
欧州では、乗用車及び小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤの販売本数は市販用が減少した影響が大きく前年同期を大幅に下回り、アジア・大洋州は、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年同期を上回り堅調に推移、トラック・バス用タイヤの販売本数は新車用の増加の影響が大きく前年同期を上回った。
中国では、乗用車及び小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤの販売本数は市販用が減少した影響が大きく前年同期を大幅に下回った。特殊タイヤは、建設・鉱山車両用大型・超大型ラジアルタイヤの販売本数は生産能力増強の効果もあり前年同期を上回り好調に推移。
この結果、同事業の売上高は5025億円、同2%増、営業利益は570億円、同4%増となった。
多角化部門は、自動車関連部品やBSAM多角化における建材事業などで需要回復の影響もあり、売上高は1279億円、同9%増、営業利益は60億円、同361%増となった。
〈住友ゴム工業〉
売上高は1669億4100万円、前年同期比15・1%増、営業利益160億100万円、同64・8%増、経常利益169億7600万円、同60・6%増、四半期純利益101億300万円、同138・1%増の増収増益。
タイヤ事業は国内市販用ではダンロップブランド、グッドイヤーブランドの新商品を投入し、拡販と販売構成の改善に努め、売上げは増加した。新車用は自動車生産台数が前年同期を大幅に上回り、低燃費タイヤをはじめとする高付加価値商品の拡販を進め、増収となった。海外市販用は、欧州では景気低迷の影響があったものの中近東やロシアではんばいを伸ばした。絵画史新車用は中国を中心とした海外での自動車生産拡大に対応して販売を伸ばした。
以上の結果、タイヤ事業の売上高は1452億7700万円、同16・9%増、営業利益140億3800万円、同65・8%増となった。
スポーツ事業は、国内は東日本大震災からの回復が進み、海外のゴルフ用品市場も各社の新商品効果により、ともに前年同期を上回って推移した。こうした中で、同社グループは高付加価値商品の拡販に努めた。 以上の結果、スポーツ事業の売上高は147億2100万円、同8・2%増、営業利益14億8200万円、同111・0%増となった。
〈横浜ゴム〉
売上高は1353億円、営業利益93億円、経常利益119億円、当期純利益88億円となった。前年同期との比較では、売上高は7・4%増、営業利益は403・3%増、経常利益は230.2%増、当期純利益は389・7%増と、大幅な増収増益を達成した。
タイヤ事業は、売上高1072億円、同10・5%増、営業利益79億円。東日本大震災後の自動車メーカーの本格的な回復により国内新車生産台数が大幅に伸び、国内新車用が好調に推移した。市販用は冬タイヤが計画を上回った一方、夏タイヤへの履き替えが進まず低調だった。海外は北米やロシアを除く欧州の需要の落ち込みにより弱含みで推移したが、値上げが寄与し増収増益となった。 工業品事業(ホース配管、シーリング材、コンベヤベルト、ゴム支承、マリンホース、防舷材など)は、売上高227億円、同1・3%増、営業利益12億円、同18・5%増と増収増益。国内外において自動車向けのホースとシーリング材が好調に推移したほか、世界的な資源開発の活発化により、マリンホースが大幅に販売を伸ばした。 その他の事業(航空部品、ゴルフ用品など)は、売上高54億円、同17・2%減、営業利益2億円、同58・2%減。航空部品は市場低迷の影響を受け、ゴルフ用品は主力商品の販売が伸び悩んだ。