ニシヤマ 海洋・船舶機器販売に注力

2012年05月21日

ゴムタイムス社

 世界の海事関連企業・団体が集結した第10回「シージャパン」は世界30ヵ国・地域から400社を超える出展があり、過去最大規模で開催され、本紙関連では工業用ゴム製品商社大手の㈱ニシヤマが海洋・船舶機器関連製品を出品し、来場者の注目を集めた。
 同社の産業機器システム事業部では、海洋商品として米国シリング社製のマニピュレーターシステム、水中作業ロボット(ROV)やデンマークマッカートニー社製船舶用大型電動ウインチや米国サン・スター社製水中電動機及び積水化学製の船舶用制振シート「カルムーン」などを出品した。
 米国シリング社製のマニピュレーターがブース内に飾られていたが、同社品は潜水調査船「しんかい6500」に採用されている。(しんかい6500は1990年に完成、水深6500㍍まで潜り、海底地形や地質、深海生物などの調査を行い、深海の世界の解明に多大な貢献を果たしている。)㈱ニシヤマはこれまで国内向けにマニピュレーターを13基を納入している。
 「マニピュレーターは6500㍍以上の深海や原子力施設など過酷な環境下で使われることから、その性能は万全な信頼性が求められる。当社が扱う製品はチタン製で強度、耐食性能に優れ、操作性も良く油圧式を採用していることで高出力が大きな特色」(同社)とする。
 船上から海中機器の着揚収を行う特殊電動ウインチはデンマークのリーディングカンパニーであるマッカートニー社製で、厳しい海上環境においても定点保持を可能とし、AHCシステム機能を有する。高い応答性、省スペース、高メンテナンス性が特徴。「船の搖動に対して、常に補正をしながら海中の機器に影響を与えない性能が高く評価されている」(同社)という。
 また、今回の展示会では積水化学工業が製造する船舶用の貼合型制振材「カルムーンシート」の出品も行った。同シートは鋼板に制振樹脂、離型紙を貼り合わせた構造で、厚さは金属層が0・8㍉、樹脂層は0・5㍉。船内の壁や床部分に施設することで高い制振性と難燃性などを発揮する。
 ニシヤマの産業機器システム事業部で扱う海洋・船舶機器関連製品は、このほか浮力材や水中電動機、水中カメラ、船舶用油圧クレーン、FRPカバー、大口径エキスパンジョイント、船舶規格対応ホースなど幅広い商品群をラインアップしており、海洋・船舶機器関連製品で年間売上高は10億円程度を目標としている。

マニュピュレーター

 

 

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