ゴム関連の主要上場企業の2012年3月期連結決算が出揃った。合成ゴム2社を含む25社集計の業績は、震災やタイ洪水などの影響で生産停止による業績の悪化がみられたものの早期の復旧と需要回復により、下期に大きく業績改善に繋がった企業も見られた。25社全体の業績内容は「増収増益」11社、「増収減益」7社、「減収減益」6社、「減収増益」1社。次期の業績予想については、総じて需要増大を見込み、25社中17社(67%)の企業が「増収増益」決算を予想している。
12年3月期の25社合計の連結売上高は2兆8982億6500万円、前期比100・3%とほぼ横ばいとなり、営業利益は1826億5700万円、同89・3%、経常利益は1967億1600万円、同97・4%と減益となった。当期純利益は869億8700万円で同73・0%と3割近い落ち込みとなった。
昨年度は東日本大震災直後で福島原発事故も起こり、日本が大混乱の中でのスタートとなり、とくに自動車メーカーが部品供給ストップなどから生産中止となり、ゴムメーカーも被災、生産停止に追い込まれた企業も目立った。
こうした厳しい市場環境に一転、上期の業績は総じて悪化したが、下期以降は緊急支援や早期の復旧策が奏功し、生産は急テンポで回復傾向をたどった。
販売面は徐々に回復したが、数量減に加えて原油高に起因する原材料価格の高騰や円高による輸出採算の悪化、さらには秋にタイで洪水被害が発生、収益面の回復力は乏しく、減益企業は25社中13社で全体の52%と過半数を占めた。
次期の連結業績予想については、堅調な国内自動車生産を背景に需要は好調に推移、中国経済の下期以降の回復も見込まれ業績回復を予想する企業が大半で、17社が「増収増益」、「増収減益」は5社、「減収減益」2社、「変則決算で未定」1社となっている。
なお、25社合計の次期の業績予想をみると、売上高は3兆1296億7000万円、前期比8・0%増、営業利益2180億2000万円、同19・4%増、経常利益2256億6000万円、同14・7%増、当期純利益1350億8000万円、同55・3%増となっている。
2012年05月28日