㈱ブリヂストンは5月23日、2050年を見据えた持続可能な社会実現に向けたタイヤ将来技術についての説明会を開いた。
この説明会には、取締役常務執行役員で製品開発管掌の森本芳之氏らが出席し、100%サステナブルマテリカル化の考え方を中心に説明した。なお、同社の荒川詔四取締役会長が同日、シンガポールの「ワールドラバーサミット」でこのテーマを含めた講演を行った。
「持続可能な」社会を実現する上で、同社グループは環境長期目標を策定し、その中でも技術力、開発力を活かせる独自の取り組みとして「100%サステナブルマテリアル化」を重要な目標として位置付けている。
新たに求められる技術は再生可能資源の多様化と拡充であるとし、具体的には「天然ゴム生産地域の多様化」や「植物由来補強繊維の多様化・拡充」を図る。また「化石資源を再生可能資源に換える」取り組みとして「バイオマス由来合成ゴムの開発」「バイオマス由来カーボンブラックの開発」「バイオマス由来新規ゴム配合剤の開発」などに取り組む。
今後の技術開発面については、天然ゴムでは「グアユール」「ロシアタンポポ」で14年に加工研究所を設立、14~15年にかけてタイヤテストを実施する。補強繊維では「新セルロース繊維」に取り組み、13年にパイロット設備での試作、14年にタイヤテストを行う計画。
材料置換の観点からは「バイオマス由来高性能合成ゴム」を15年にパイロット設備で試作、16年にタイヤテスト、このほか「バイオマス由来カーボンブラック」やゴム配合剤としての新規分散助剤のタイヤテストおよび実用化を目指す。
天然ゴムの代替となる「ユアグール」や「ロシアタンポポ」について森本氏は「熱帯地方に限定されるゴムの樹から乾燥地域や温帯地域での原料確保を実現し、収量についても現在はパラゴムの木の半分以下であろうが、育成方法などの改良で収量が飛躍的に上がる可能性がある」などと語った。