三ツ星ベルトの2012年3月期連結決算は売上高が前期比7・2%増の545億8100万円、営業利益が同15・9%増の56億4700万円の増収増益となり、営業利益は過去最高実績となった。
経常利益は56億800万円、前期比29・1%増となり、原材料価格の高騰影響額2億円、為替差損益2億5000万円を売上拡大による利益増9億8000万円、原価低減2億4000万円がカバーした。
主力のベルト部門の売上高は455億5900万円、同6・8%増、となり、このうち自動車用ベルトが震災、タイ洪水の影響があったものの232億900万円、同3・4%増、一般産業用ベルトは中国、アジアでの農機用ベルトが拡大し152億8000万円、同12・2%増、OA用ベルトは金融端末機器向けに拡大し20億2500万円、同6・4%増となった。運搬ベルト(樹脂コン7割、ゴムコン3割)は27億3800万円、同7・9%増、合成樹脂素材が23億700万円、同6・5%増と全品目で前期実績を上回った。
国内ベルト事業は自動車用ベルトが期間の前半は震災による自動車生産台数の落ち込みの影響を受けたものの、その後の回復により微増となった。
一般産業用ベルトは、補修市場や農業機械用の拡販活動により伸長。OA機器用ベルトも金融端末向けが増加、運搬ベルトも樹脂ベルトが堅調に推移し、合成樹脂素材は設備投資の回復に伴い増加した。売上高は264億7400万円、前期比4・2%増、営業利益は66億1800万円、17・1%増となった。
海外ベルト事業は海外での需要の高まりに対応すべく生産体制・販売体制を強化しており、一般産業用ベルトが東南アジア・中国を中心に大幅に伸長した。自動車用ベルトは、震災やタイの洪水の影響で日系ユーザ向け新車組み込みライン用ベルトが低調であったが補修市場の獲得に注力した結果、米国を中心に売上が拡大した。売上高は190億88500万円、同10・7%の増収となったが増営業利益は円高差損が響き11億8400万円、同7・1%減となった。
この結果、全海外売上高は197億9900万円となり、売上高比率は1・8ポイントアップし36・3%となった。
今期も海外需要は拡大するとみており、インドネシア、シンガポールでの生産能力増強を中心に22億円(前期16億円)の設備投資を計画している。
次期の業績見通しは売上高は海外を中心に増加するものの、営業利益は原材料価格高騰、円高が収益を圧迫するとし微減を予想している。