ランクセスは、台湾のTSRC社との合弁事業の一環として中国の南通で進めていた、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)の新工場の稼動を、予定通り開始したと発表した。
両社はこの新工場に、共同で5,000万米ドル(出資比率各50%)を投資。新工場の稼動当初の年間製造能力は3万トンで、約100名の新規雇用を予定している。
中国のNBR市場規模は、中国国内の自動車産業、建設業がこの需要を牽引して世界最大となっており、年平均成長率も約10%と世界で最も急速に成長している。
5月23日に行われた同工場の開設式典で、ランクセスのアクセル・ハイトマンCEOは、「この新工場は、アジア地域において最先端であり、中国における『急速な都市化』と『モビリティの拡大』という二つの重要なメガトレンドの需要に応える」とあいさつした。
両社は、2010年5月に合弁会社「ランクセスTSRC(南通)化学工業有限公司」を設立し、今回の新工場の稼動開始までは、同社のラバンツェナウ拠点(フランス)から中国の顧客にNBRを供給していた。
新工場は、上海北西部の南通経済技術開発区(江蘇州)に位置し、約4万平方メートルの敷地を有する。
南通拠点では、NBRの主要製品である「クライナック(Krynac)」の製造を行う。中華市場(中国本土、香港、台湾、マカオ)は同社のグローバルの成長戦略の要であり、2012年度売上高10億ユーロを目指す。