日本免震構造協会(西川孝夫会長)は5月28日、東京・渋谷区にある同協会事務所で記者懇談会を開催した。冒頭、西川会長はあいさつで「最近では一般の人たちにも免震の意識が高まってきています。今後も免震の構造の普及・発展を目指していきたい」と述べた。
次に可児長英専務理事が免震構造の紹介、免震・制震情報、免震効果、課題などについて説明。可児専務理事は「日本の免震構造概況では2012年12月末までの集計は国内総計2800棟。内訳はマンションが45%、高層マンションが10%となった。2008年9月のリーマンショック以来、免震建築物は減少の傾向を表しているが、これは免震建築物だけではなく建築物そのものが減少している。また免震改修は110棟、中間階免震は330棟、戸建免震は4300戸となっている。最近では病院の免震建築物が増加。病院の建て替え時に免震を使用することが増えてきた。地域別でみると、東京、神奈川県などの主要都市を中心に免震建築物が多い」と解説。
同協会の今後の課題として、免震建築物の地震時の特性の紹介、エキスパンションジョイントに対する設計・施工・維持管理のガイドラインの作成、維持管理基準の整備、繰り返し載荷に向けた装置の開発、観測の強化などを上げている。
また第13回日本免震構造協会賞の説明を表彰委員長の中埜良昭氏が行った。
2012年06月05日