東海ゴム工業は5月28日、2012年3月期連結決算説明会を開き、同社から尾崎俊彦取締役専務執行役員らが出席して概況を説明した。同社の3月期決算は、売上高2519億4300万円、前期比7・5%減、営業利益128億2400万円、同23・6%減、経常利益130億5000万円、同18・4%減の減収減益となった。当期純利益は60億9500万円で同38・7%減となった。
売上高は、海外子会社の決算期を3月期に変更した結果、米国・中国子会社は15ヵ月の数値を繰り入れた。しかしながら、東日本大震災やタイ洪水などの影響により約300億円の影響額となり、売上高は7%台の減収となった。
営業利益段階において、マイナス要因として価格低下(60億円)、震災・タイ洪水の影響(80億円)、原材料高騰(40億円)があったが、震災復旧による拡販分のプラス(約50億円)、価格修正(26億円)、間接費の減(17億円)などが増益に働いた。
設備投資は209億円を実施。主な内訳は6割強が自動車関連事業、4割弱が一般産業用事業。新年度は合計で310億円の投資を計画しており、自動車関連事業向けが3分の2、残り3分の1は一般産業用事業向けとなる。
セグメント別の売上高は、自動車用品事業が1939億500万円、同10・9%減、営業利益90億5800万円、同32・6%減の減収減益。上半期の国内自動車生産減に加え、タイ洪水による下半期の製品納入減により、防振ゴムやホース、ウレタン内装品・制遮音材とも減少した。一般産業用品の売上高は678億3500万円、同6・0%増、営業利益は37億6600万円、同12・2%増の増収増益。中国での高圧ホース販売が好調に推移したほか、住宅用・ビル用制振装置が内需の拡大により堅調に推移。
「中国での建機用高圧ホースは日系メーカー向け以外に有力な現地ローカルメーカー向けへの納入も開始し、全体として好調に推移した」(尾崎専務執行役員)。
一般産業用品事業の製品別内訳は、IT関連製品が280億円、前期比横ばい、産業資材製品は303億円、同16%増。同社単体の一般産業用品の販売構成比はIT製品が260億円、同横ばい、ホース製品101億円、同18%増、特品34億円、同横ばい、住宅関連製品23億円、同53%増、免震デバイス17億円、同30%増。
グローバル展開に関しては、最適地生産体制の構築から、引き続き現地生産化や海外拠点の能力増強を積極的に進めていく。「新たな生産拠点の設置では、自動車部品においてメキシコや南米地域をリサーチしており、比較的早期に見極めをつけたい」(尾崎専務執行役員)。なお、同社は原価低減を実践するため「原価40推進室」を設置し、設計・技術・開発のあらゆる面でテーマアップを行い、原価低減を推進する。