鬼怒川ゴム工業は5月31日、2012年3月期連結決算説明会を開催、関山定夫社長が概況を説明し、12年度の事業方針を語った。同社の3月期連結決算は、売上高706億1100万円、前期比9・3%増、営業利益83億4000万円、同12・5%増、経常利益85億5500万円、同14・3%増の3期連続の増収増益となり、営業・経常利益は3期連続過去最高益となった。当期純利益は53億円で同18・6%増。
関山社長は11年度の業績について「震災、タイ洪水の影響を最小限に抑えることができた。震災後の減産、増産への迅速対応によるロスの極小化、さらに総合合理化活動の推進、購入品の現地化による為替影響の緩和などが業績向上に貢献した」と総括した。
所在地別では、日本は車体シール事業に加えてホースや防振事業の収益力が向上した。米州はメキシコ工場立ち上げによるコスト増で減益となったが、モノ造り支援活動により、年度末では黒字化を実現。アジア地域は材料価格高騰やタイ洪水などの影響が見られたが、操業度向上や材料の現地調達化などにより、増収増益を確保した。なお、ホース事業のグローバル化を図るため、昨年8月に帝都ゴムを完全子会社化した。
12年度は、新興国を中心とした需要拡大を拡販のチャンスと捉え、海外での販売を拡大させることで業績向上を目指す方針だ。地域別の拡販計画については「インドで6月に現地法人を設立、11月より業務提携先で生産を開始、中国では今年10月に新たに会社設立、13年に工場を開設、メキシコでは13年に新工場の建設を計画、このほかロシア市場は本年度に具体的な進出方法を検討、ブラジルにおいても進出時期、方法を検討している」(関山社長)。
次期の連結業績予想は4期連続で増収増益を見込み、2015年度には連結売上高1000億円を目指す。