ブリヂストンは31日、バイオマスから生成したイソプレン(合成ゴムの原料)の提供を味の素から受け、合成ゴム「高シスポリイソプレン(以下IR)」の重合に成功したと発表した。
味の素の発酵技術とブリヂストンの重合触媒技術を組み合わせ共同開発した。今後は研究を進めるなどして2013年までには事業化継続の判断をし、2020年をめどに製品化を目指す。
今回、重合に成功したIRはサトウキビなどの植物を発酵させ、糖を作るなどの世界最先端の発酵技術を持つ味の素がバイオマスからイソプレンを生産する菌株を開発。生成したイソプレンをブリヂストンが同社独自の重合触媒技術を用いて反応させて完成させた。この試作品はIRに求められる実用的な性能を満足することも確認できている。
IRは天然ゴムの一部を置換することができるため、バイオマス由来のIRは原材料多様化の手段として期待されている。
今後、IR生成技術の進捗に併せてゴム物性の確認を進め、重合触媒技術をさらに高めることにより、より高機能なIRの開発を目指していく方針。
同社グループは現在、2050年を見据えた「100%サステナブルマテリアル化」の実現に向けて、様々な取り組みを行っている。