日本ミシュランタイヤは7日、駆動軸専用タイヤの大きな特長である優れたコスト削減と環境負荷低減効果を従来品比較でさらに向上させたトラック・バス駆動軸専用タイヤ「MICHELIN X MULTI D(ミシュラン エックス マルチ ディー)」を、6月7日より全国で順次発売すると発表した。
発売サイズは11R22.5で、オープン価格。同製品は、ミシュランの主要トラック・バス用タイヤ同様、リグルーブやリトレッドに対応するもの。
同製品は、摩耗率の低い新開発トレッドラバーコンパウンドを採用。従来の駆動軸専用タイヤ「MICHELIN XDE 2+(ミシュラン エックスディーイー ツープラス)」との比較で、ロングライフ性能ならびに耐偏摩耗性能を向上させ、駆動軸専用タイヤの大きな特長であるコスト削減効果ならびに環境負荷低減効果を、さらに追求した新製品。低減された転がり抵抗により、燃費改善によるコスト削減効果ならびに環境負荷低減効果も実現したタイヤとなっている。また、ダブルウェーブサイプがスポイト効果を発揮し、ウェット路面での高いトラクション性能ならびにブレーキング性能に寄与する。
同社は、輸送事業者の環境負荷低減やコスト削減へのニーズの高まりに応えるトラック・バス用タイヤのソリューションとして、「新品のロングライフ(Reduce)」「リグルーブ(Reuse)」「リトレッド(Recycle)」により、タイヤの持つ本来の性能をフルに使う「ミシュランの3R」と、省燃費タイヤや駆動軸専用タイヤをユーザーの車両使用条件に応じて提言してきた。
日本国内では唯一同社だけが展開する駆動軸専用タイヤは、そのコスト削減や環境負荷低減効果が認知されつつあり、2008年に2.8%だった自社国内トラック・バス用タイヤ製品全体に占める比率が、2011年には5.4%にまで高まるなど、着実に普及が進んでいる。同社は、新製品の投入により、駆動軸専用タイヤの普及を加速させる方針。
同社が展開する駆動軸専用タイヤは、駆動力やリターダー(補助ブレーキ)によるトルクなど、他の車軸と異なる負荷に打ち勝つことを考え、独自のタイヤ構造やトレッドパターンを採用。駆動軸以外(操舵軸/遊輪車軸)にリブ(縦溝)タイヤを使用し、駆動軸には駆動軸専用タイヤを使用することで、車両全体でのタイヤのロングライフ化やローテーション回数低減を図ることが可能になり、タイヤ関連経費圧縮などによるコスト削減と同時に環境負荷低減も達成できる。
日本では「MIXタイヤ」と呼ばれるオールシーズンタイヤを全ての車軸に装着する方法が普及しているが、欧米では、駆動軸専用タイヤとリブ(縦溝)タイヤを併用する方法が定着している。
世界のタイヤ市場を熟知する同社は、日本市場で広く普及する「MIXタイヤ」のカテゴリーに、コスト削減と環境負荷低減に有効な日本市場専用タイヤを複数ラインナップすると同時に、トラック・バスのユーザー各々の使用状況に適した装着ポジション別(駆動軸/トレーラー軸/その他の車軸)のタイヤを提案している。