耐圧ホースメーカー、㈱トヨックスは、レバー式継手のカムロックの品質強化とカムロックとのホース配管安心セットを改良し、品揃えを強化した。
東日本大震災による原発事故処理では、ホース配管で多くのトラブルが発生したが、その内容はホースの亀裂と継手からの漏れが原因で、事故現場から安心配管の強い要望があった。また、以前より工場でも配管トラブルからの災害が多く、安全かつ作業標準化ができる配管への要望も多く寄せられていた。
同社では、こうした現場の要望に対応するため「ホース配管安心セット」を開発してきたが、今回、工場やプラントなどで使用頻度の高いカムロックの品質強化を実施した。アルミ合金製から品質強化を行い、今夏より品質強化した製品を順次発売する。
今回の品質強化のポイントは次の通り。
①ニップル部の機密性アップ=継手のニップル部の精度アップで、ホースとの機密性がアップし、流体漏れがしにくいように品質強化を図った。
②アームの操作性をアップ=アームの幅を広げ、締めやすく改良。アームのアダプター接続部の表面仕上げを変更することでアームの操作性を向上させ、従来より少ない力で開閉できるようにした。
③トレサビリティーの強化=継手本体にトレサビリティー強化としてロッド管理ができるようにロットナンバーを刻印し、品質管理体制も強化した。これらの品質強化のほか、製品名や品番が見やすい表示にするとともに、トヨックスブランドも本体に追加表示し、リピート受注を高める改良も実施した。
同社では継手だけでなく、昨年秋に発売した「カムロックFS」の安心セットを、食品用途以外の幅広い用途で使用できるよう、ホースの耐油性を高めて7月より販売する。従来、現場で苦労していたホースへの継手の取り付けが簡単にでき、さらに継手と一体になる専用バンドで締め付けることで漏れ、抜けを防止、一層の安全性を高めている。
ホースも同社独自の補強材を複数使用するハイブリッド構造で、ホースの折れやつぶれを少なくした。このホースは同社の主力商品の「トヨロンホース」の外周に硬質コイルを補強した特殊構造で、ブランドラインと社名マーキングも入れることで、現場ユーザーからのブランド指名によるリピート受注が高まるよう改良差別化している。
トヨックスでは、現場での安全性、工場の継続的な安定操業などへの強いユーザーからの要望に応えるため、今後も「ホース配管安心セット」のさらなる改良や品揃えを強化していく。発売元のフィットトヨックスは6月5日、カムロック代理店会を開催し、同様の新商品を発表した。