TOP Interview 下 タイガースポリマー 渡辺健太郎社長

2011年06月27日

ゴムタイムス社
渡辺健太郎社長

渡辺健太郎社長

タイガースポリマー㈱の渡辺健太郎社長は16日、同社本社で記者会見を行い、11年3月期決算概況を振り返るとともに新年度の事業方針などを説明し た。渡辺社長は「前期に海外の生産販売子会社6社が揃って増収増益を達成、グループとして着実に企業体質の強化が図られた。新年度は東日本大震災による自 動車部品関連の減少が予想されるが、シート、ホース製品の増販でカバーしたい。海外事業はいずれも順調で、さらに拡大させる」などと語った。 〈直面する課題は〉 渡辺社長 原材料価格高騰への対処が課題の一つ。
この対策として、資材部と商品調達室を統合して「購買部」を新たに設置、部門長は取締役ポストとした。震災の影響から緊急対応として輸入材料の調達も行っ たが、将来に向けて、品質面において充分使用可能な輸入材料の検討を今後進める。また、原材料の上昇分については、適宜需要家に認めてもらうことが重要 で、製品価格改定を実施する。シート製品、一般産業用ホースの順で今夏に向けて見直しを行う。 経営環境は今後も厳しい状況が続くと思われるが、グループ全体の収益の安定化と企業体質の強化に努めることが重要と考えており、具体的には売上高・収益の 確保をはじめ中長期成長分野の市場開拓、原価低減、新しい収益源の開拓(新製品開発強化)、企業体質の強化(人材活用など)。 〈中長期的な経営戦略は〉 渡辺社長 ホース製造技術、ゴムシートの製造技術、モールド(成形品)を造る技術を有するが、家電業界・OA機器業界、自動車業界、土木・建築・住宅業界 などに供給、ニッチな市場で高いシェアを有することを経営戦略の一つに位置づけており、新製品並びに改良製品の強化を最重要課題として人材の投入や基礎技 術、商品開発技術、製造技術などの技術開発に注力していく。 〈グローバル展開について〉 渡辺社長 海外事業は順調に推移している。自動車部品については米国、タイ、中国ともに主要顧客であるホンダ向けに安定供給を続けている。米国の産業用 ホースも順調で、中国の家電用ホースは国内からの海外シフトで需要が今後も期待されるが、取りこぼしの無いよう積極展開を図る。マレーシアでの家電用ホー スは数量的にも増加しており、営業先の拡大を図りたい。中国広州の増設は完了し、順調にいけば今夏から稼動体制に入る。インド市場については、製造は現地 企業に任せており、当社はロイヤリティ収入が増えるものと期待する。 〈タイの第3工場拡張計画は〉 渡辺社長 タイ工場は東南アジア市場全体の輸出先拠点として育てたいが、現在の市場規模では急いで第3工場建設は必要ではないと思われる。しかし、将来的な需要増に対応できるよう、土地の手当ては済んでおり、いつでも工場建設に着手できる環境は整っている。 〈本年度の事業計画について〉 渡辺社長 社内的に3ヵ年の経営計画を策定し、その最終年度になるが、年度計画としては、体質強化の面で量と質の拡大を目指し、筋肉質で次世代のための人材教育に力を注ぐ。 製品開発ではホース・シート製品はある程度商品構成が揃っており、改良品で市場開拓を進め、自動車部品はハイブリッド車の冷却用ダクトのほか吸気系部品の開発を強化していきたい。 人材育成では、変化に立ち向かう気概を持つ人材育成に努め、管理者には部下の能力を最大限引き出すようハッパをかけています。