㈱ニシヤマは6月22日、東京・大田区の大森東急イン「フォレストルーム」において、2012年第69回ニシヤマ会を開催した。
同社の2011年度業績並びに12年度の事業方針、新たに策定した3ヵ年の中期経営計画などが発表され、講演会と懇親会が開かれた。会にはニシヤマの取引先企業の代表やニシヤマの社員を含め、総勢120名が参加した。
開会あいさつは西山博務代表取締役会長が行い、11年度の業績説明を常務取締役の小嶋実営業本部長が担当、その後12年度の営業戦略および中期経営計画を佐藤昌幸社長が詳細に説明した。
西山会長は「昨年度は震災やタイ洪水などに見舞われ、現在は復興を目指して皆さんが頑張っておられるところ。為替円高や中国経済の低迷、欧州経済危機問題など大変厳しい環境だったが、業績は皆様のご支援もあり、過去最高を計上することができた。中期経営計画も策定したので、その説明も行い、本年度も業績向上を目指していきたい」などと語った。
次に小嶋常務が11年度の業績について説明した。「営業体制として事業本部制を導入したが、スタート直前に震災が発生、業績目標の下方修正も必要かと思ったが、従業員の士気が下がるだけだと判断、厳しい環境ながら当初の目標を目指して全員で頑張り、売上高281億円で計画を上回ることができた。とくに、震災後の第1四半期において、混乱の中で当社は万全の体制で納入を続け、お客様の信頼を高めることができた」などと述べた。
11年度は国内海洋資源開発向け海洋観測船用機器類および部材の大型案件の受注に成功、海外タイヤメーカーの旺盛な設備投資、新工場建設に伴うタイヤ成型用ドラムおよびその他機器類の輸出が好調に推移した。また、開発営業部が携わる真空装置やプラズマ装置、陽子線加速器関連などが順調に進展したが、エネルギー関連や鉄道など主力のインフラ関連は計画未達だった。
引き続き、佐藤社長が12年度業績計画および3ヵ年の中期軽軽計画について言及した。12年度の営業戦略については事業部制を活かし、エネルギー市場、電力市場、鉄道市場の深耕を図り、開発・コスト・品質を重視したスピードある横展開を実施、さらにグローバル化に注力する。
佐藤社長は「将来を見据えたグローバル対応可能な人材育成に注力し、輸出入関連の売上高を将来的には総売上高比20%まで引き上げたい」とした。
12年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画の業績目標は、初年度は売上高265億円、前期比94・1%、13年度売上高は286億3100万円、前期比108・0%、14年度売上高は312億2000万円、前期比109・0%。最終年度の事業別売上高はエネルギーシステム事業が89億9700万円、同106・9%、鉄道車両システム事業部は67億6000万円、同106・2%、産業機器システム事業部73億9400万円、同109・7%、電子制御システム事業部49億円、同109・8%、国際事業部20億5600万円、同128・4%、開発営業部10億9500万円、同104・7%。
業績説明のあとは講演会が行われ、財団法人国際高等研究所の尾池和夫所長が「自信を知って震災に備える」と題して講演した。尾池所長は世界の巨大地震、地震とマグニチュード、巨大地震の前兆現象などをスライドや写真を使って、分かりやすく説明した。