【ゴム用試験機特集】 上島製作所 低温試験機3製品をリニューアル

2012年06月28日

ゴムタイムス社

低温試験機3製品をリニューアル アジア市場をを中心に拡販強化

上島製作所

 ㈱上島製作所は1916年の創業以来、ゴムをはじめ、プラスチック、塗料などの産業分野に対し、JIS、ISO、ASTMをはじめとし国内外の工業規格に準拠した試験機を提供している。 同社は特にゴム用の材料試験機として製造ラインの品質管理で用いられるムーニー粘度計の実績が多く、加硫試験機は後発だったが最近ユーザーに評価され実績が増えている。また、タイヤ分野ではラボ用の摩耗・摩擦試験機、粘弾性試験機を主力に展開している。「上島ブランドとして、国内ではお客様に認知され、海外にも認知され始めている」(佐藤親弘社長)。
 同社の海外展開は中国、インドネシア、インド、米国、等中心に各種試験機を展開強化していくと見込み、最近の動向は「昨年は震災の影響で買い控えがあったが、今年に入って国内外の受注が伸びてきている」(佐藤社長)。
 直近では同社は低温試験機に注力する。ゴムは常温では柔軟な弾力をもっているが、低温になると分子運動が不活発になり、次第に硬化し、ガラス化温度(Tg)以下では凍結してしまい、ゴムの本来の機能が果たせなくなってしまうことがある。この現象が例えば極寒地帯で使用する車や成層圏を飛ぶ航空機の部品などに重要な影響を及ぼす結果となってしまう。そこで、低温試験機はゴムのような重要な役割をもつ製品にはその特性を正しく評価する試験機が製品開発では欠かせない。 そこで同社はこのほど、低温ぜい化試験機、ゲーマンねじり試験機、T‐R試験機の低温試験機をリニューアルし、この3製品を拡販強化していく。低温ぜい化試験機は加硫ゴムやプラスチックの低温環境における衝撃ぜい化温度および衝撃ぜい化限界温度を求める試験機。試験片装着ホルダが1組のシングルタイプと4組まで取り付け可能なマルチタイプがあり、冷却方式にはドライアイス冷却タイプと冷凍機冷却タイプがある。またゲーマンねじり試験機は加硫ゴムの低温におけるモジュラスを測定する試験機。試験片は4個まで自動計測でき、操作とデータ処理はコンピュータにより行う。冷却方式には冷凍機を用い試験片の冷却から自動で行うタイプとドライアイス冷却タイプがある。さらにT‐R試験機は一定の伸張を与え凍結させた試験片を徐々に昇温させたときの伸びの回復率を測定する試験機。試験片の伸張機構、回復率の測定をエンコーダで行いコンピュータによりデータ処理する自動タイプと回復率の測定を目盛盤から目視で読み取るマニュアルタイプがあり、自動タイプには冷凍機を用い冷却から自動で行うタイプとドライアイス冷却タイプがある。「今年に入り、国内では買い替えの引き合いが多く、中国でも品質向上の意識が高まっている傾向があり、最近では受注が伸びてきている」(佐藤社長)。今後の計画として、販売目標を昨年比20%増を目指し、今後もユーザーが要求している試験機とはどのようなものであるかを追求し続け、各種分野のニーズに応える信頼性の高い試験機を提供していく。(2012年6月25日紙面掲載)

低温試験シリーズ ぜい化試験機

 

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