豊橋技術科学大学の電気・電子情報工学系の大平孝大平孝教授のグループは、道路インフラからエネルギーを集電して自動車に送電する技術を開発したと27日発表した。
道路インフラから集電できれば、大容量のバッテリーを搭載しなくても済み、電気自動車をより軽量化できる。
タイヤにはアルミ製のホイールやトレッド表面近くにスチールベルトなど電気を流す物質がある。道路路面の下に、導体平板あるいは細い導線を網目状に編み込んだシートのような電極を敷設することにより、タイヤのホイールやスチールコードを経由して、道路から車に送電することができるという。
タイヤのトレッド表面はゴム製なので通常の50/60Hzの電流はまったく流れないが、電流を数MHz以上の高周波エネルギーに変換することで、タイヤを誘電体として、タイヤホイールまで送電することができる。
ただし、通常の高周波電源をそのまま接続しても電力の大部分がタイヤ表面で反射してしまい伝わらない。この反射は高周波電流に対するタイヤの電気的媒質定数が通常の電気回路と大きく異なるために起こるが、電源とタイヤの間に小さなコイルとコンデンサからなる回路(LC回路)を挿入することにより、高周波電力を再度あえて反射させ、2つの反射の位相を180度ずらせておくことにより、互いに反射がキャンセルしあって、結果的に電力を効率よくタイヤへ伝えることができるという。情報通信で培ってきた高周波技術を情報を伝えるためではなくエネルギーを伝える手段として活かしたのが今回の実験のポイントだという。
本技術内容を7月5日にパシフィコ横浜で開催されるワイヤレステクノロジーパーク2012にて招待講演およびデモ展示する。
2012年06月29日