ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(アンドリュー・リパリス会長兼CEO)およびアクリル繊維世界大手のアクサは3日、炭素繊維複合材料の製造・マーケティングの合弁会社、ダウ・アクサ・アドパンスト・コンポジット・ホールディングスBV(ダウ・アクサ)の正式設立について発表した。 今回の折半合弁設立は、二社が2011年12月初日に締結した正式契約に基づくもの。
同合弁会社は急成長する炭素繊維複合材料の分野で、世界規模のマーケテイング活動を展開し、多岐にわたる製品と技術サービスを提供していく方針。 また同合弁会社は、総合コスト削減を特に重視しており、経済性を高め、幅広い市場での採用に向けて活動を進め、世界中のエネルギー、輸送、インフラ関連の産業用途において、コスト効果に優れたソリューションを提供していく計画。
ダウ・ケミカルは、高強度で軽量の炭素繊維材料は、軽量化、二酸化炭素排出削減、耐久性、省エネが重要な要素となる成長産業で活用されると予測する。現在、炭素繊維複合材料の世界市場規模は100億ドルに及ぶと推定され、2022年までに400億ドルに達すると見込まれているという。同合弁会社は2009年以来アクサの炭素繊維を生産してきたトルコのヤロパ工場生産設備を増設し、最先端技術の炭素繊維の生産と供給に向け、統合化した生産能力を大幅に増強する予定。
ダウ・ケミカル会長兼CEOのアンドリュー・リパリス氏は、「ダウ・アクサの設立は、戦略的提携を生かして、価値が高く革新性に溢れた分野を追求するダウ成長戦略の実施例です。アクサとダウは協力して、自動車の燃費改善、道路や建造物の長寿命化といった世界的な課題解決に向け、お互いの技術と知識を応用していきます」と述べている。
また、アクキョウ・グループCEO兼アクサ取締役会長のメーメッ卜・アリ・パークマン氏は、「アクリル繊維分野ですでに世界大手となったアクサは2011年、生産能力と生産性向上への投資を通じた市場占有率の拡大を目的に、炭素繊維分野に参入しました。末来の 材料として、金属との置き換えが見込まれる炭素繊維複合材料は、トルコや世界で輸送(自動車、高速鉄道、船舶、大型車両など)、風力発電、建設、中でも耐震建造物のようなインフラ産業にとってカギとなる素材です」と語る。