帝人化成(福田善夫社長)は4日、顧客からの多様化・高度化する製品開発ニーズに応えるために、帝人株式会社松山事業所内にこれまで以上に高い光学特性を有した樹脂加工製品の製膜を可能にした設備を導入することを発表した。製膜能力は100万平方メートル/年、稼働時期は2012年8月を予定。 同社は、中長期経営ビジョンにおける成長戦略として「川下への事業展開」を掲げ、タッチパネル・電子ペーパーなどに使われる透明導電性フィルムや、スマートフォンやタブレット端末、フラットパネルなどに使われる位相差フィルムなど、これまでも高機能・高付加価値分野を中心とした樹脂加工製品の開発に注力してきたが、スマートフォンをはじめとするディスプレイの大型化・高精細化や自動車の環境負荷低減など、さまざまな環境変化により樹脂加工製品に対する顧客ニーズは多様化・高度化していると述べている。
今回同社が導入する製膜設備は、独自の設計によって、業界最高レベルの高い平滑性や表面外観特性を持つフィルムの製膜が可能であるだけでなく、ポリカーボネートだけでなく、アクリルなど様々なポリマーを用いたフィルムを製膜可能。この設備を導入することで、高い透明性や耐熱性、ガスバリア性が要求されるタッチパネル向け透明導電性フィルムや、自動車内外装用の塗装レス・メッキレスを可能にするフィルムなど幅広い分野での新製品開発が期待される。また、新製品開発だけでなく少量生産まで対応出来るため、顧客に対するクイックレスポンスが可能になるという。
今後は、同設備を活用することで、塗装レス・高ガスバリア性・高耐熱性などのさまざまな顧客ニーズに応じた高い付加価値を有する樹脂加工製品を開発し、エレクトロニクスや自動車、環境・エネルギー関連市場を中心としたソリューション提供力をより一層強化していく方針。