帝人は9日、韓国のCNFとの合弁会社Teijin CNF Korea Co., Ltd(テイジン・CNF・コリア、以下「TCK」)の生産工場の完成と、同日からのセパレータの生産開始を発表した。
TCKは、同社開発のポリエチレン基材におよびフッ素系化合物をコーティングした2種のLIB用セパレータ「LIELSORT(リエルソート)」生産のため、昨年10月に同社が韓国の有力フィルム加工会社であるCNFと設立したもの。同社はセパレータを販売する100%子会社「Teijin Electronics Korea Co., Ltd(テイジン・エレクトロニクス・コリア)」もソウルに設立している。同社は既に複数の大手電池メーカーより認定を受け、事業を展開している。
今回TCKで生産を開始するのは、フッ素系化合物をコーティングしたセパレータ。同セパレータは、ポリマー電解質との易接着性や耐酸化性に優れていることから、従来の製品と比較し、安定した高電圧を保ちつつ、飛躍的な高容量化を実現することができる。一方、「コーネックス」をコーティングしたセパレータについても認定作業が進んでおり、近く生産を開始する予定。
「LIELSORT」は、同社グループの高分子化学技術により、世界初の両面同時コーティング、および従来の5倍以上に相当する高速コーティングを実現し、より効率的な製造を可能にした。韓国に生産・販売会社を設立したのは、顧客に密着した生産・販売網の構築、および中国進出の足場の確保が目的。同社はこれらの取り組みにより、電池性能を向上させるセパレータを提供することで、次世代LIB用セパレータのデファクトスタンダードとなることを目指す方針。