NEDOは10日、有機系太陽電池の早期実用化を目的とした「有機系太陽電池実用化先導技術開発」の助成先として7法人を採択したことを発表した。
採択された助成先は、三菱化学、シャープ、フジクラ、日本写真印刷、日立造船、太陽誘電、ビフレステック。
今回のプロジェクトでは、次世代型太陽光発電システムの本命の一つとされる有機系太陽電池の特徴のうち、発電特性と設置特性とを活かした建材一体型システム、設置特性とデザイン性とを活かした車載型システム等を開発。2010年代後半の実用化を目指した製品用途開拓を行う予定。
有機系太陽電池は、将来的に大幅な低コスト化が期待されるとともに、少ない光でも発電し、真夏の暑い日でも発電量が下がりにくいといった発電上のメリット、軽量で加工が容易といった設置上のメリット、透明性やカラフル性といったデザイン上のメリットがあるとされている。
同機構は、太陽光発電システムの普及拡大を目指したロードマップ「PV2030+」の下で研究開発を行っているが、その中の取り組みの一つとして、製造原価が安く、軽量に作製することができ、かつ、設置場所の制約の少ない有機系太陽電池の要素技術開発がある。
これまでの開発により、実用化に必要な成果が得られつつあるが、有機系太陽電池を開発する海外メーカは、近年相次いで生産投資に踏み切っており、国内メーカーにおいても、新規参入は急ぐべき状況にある。
このような背景の下、有機系太陽電池を実際の使用環境下で実証し、実用化に向けた課題の改善を図る必要がある。