㈱ブリヂストンは、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)大量遺伝情報研究室の研究協力のもと、ラテックス産出植物であるトウダイグサ科「パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)」 のゲノム概要配列の解読に成功したと10日発表した。
同社は天然ゴムの生産性向上を目的として進めている「パラゴムノキ」の分子育種基盤研究を加速させるため、「パラゴムノキ」が有する推定14億bpのゲノムを解読した。
今回解読したゲノム情報は、遺伝子が豊富に存在するゲノム領域の9割以上をカバーしているものと推定されており、解読したゲノム情報を活用することで、生産性が高く品質の高いラテックスを産出するパラゴムノキを選抜する技術や、耐病性・環境ストレス耐性に優れた品種の開発など、様々な応用研究が加速できるものと期待している。
同社は天然ゴム産業の発展に向けて様々な取組みを進めており、その一つとして、2011年2月から同社、独立行政法人産業技術総合研究所、インドネシア技術評価応用庁の3者で、バイオテクノロジーを応用した天然ゴム増産技術開発をテーマとする国際プロジェクトを推進している。同社では、「このような研究開発は、天然ゴムの生産性向上に寄与するだけでなく、ゲノム科学を産業へ応用する新たな事例として今後の発展が期待できるもの」としている。
世界の自動車保有台数増加に伴い、タイヤの需要拡大が見込まれる中、 ブリヂストングループは、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提とし、あらたに投入する資源はサステナブルであるべきと考え、天然ゴムの生産性向上を含め、様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、タイヤの原料を「100%サステナブルマテリアル化」することを目指している。